眼瞼下垂症手術の合併症・変化

手術前にあらかじめ理解しておくべき合併症

リスクをあらかじめ知ることが大事です。

合併症とは、手術後に一定割合で生じる不可避の症状、病気です。

状況により、追加治療・追加手術を行います。修正手術は3から6ヶ月以上待ち、キズが成熟(注)してから行います。

まぶたは極めてデリケートな部位であり、100%の満足を保証することは困難です。

それぞれに対処法がありますが、十分に検討、理解した上で手術治療を受けましょう。

注:キズの赤みが退き、硬さがこなれてやわらかくなること。

合併症(変化も含む)リスト

 

□出血(内出血)

術中、もしくは術後の出血により紫斑(青あざ)ができます。血腫の自然吸収を待ちます。一ヶ月程度要します。

術後に血の巡りが良くなるような行為(入浴で熱い湯に浸かる、激しく運動するなど)はリスクを高めます。

□感染

糖尿病や免疫の弱い方は創部が化膿するリスクがあります。滅多にないことです(私は経験なし)。万が一化膿した場合は、抗生剤を飲むか、キズを開いて膿を出します。

□目の閉じにくさ

眼輪筋の瞼板部のチカラが一時的に麻痺して、瞼をギュッと閉じるのが難しくなります。一ヶ月程度は洗顔時に石鹸がしみたり、夜間目の乾きを感じることがあります。点眼薬で対処します。

□視力・乱視の変化

眼球を抑えるまぶたの位置が変わることによる角膜形状の変化。ミュラー筋の緊張の変化。いわゆる細目の状態が解除されることによる視力障害の顕在化。などにより視機能の変化が起こることが有ります。3から6ヶ月程度不安定なことも有ります。安定したらメガネを作り直しましょう。ちなみに、姿勢の変化によってメガネが合わなくなることもあります。

ふたえの線の乱れ

予定した位置でまぶたの皮膚が折れず、ふたえの線が期待通りにならないこと。二重が浅くなったり、三重になったりすることも含まれます。修正手術の適応です。

□めやに・涙の増加

目やに、涙が増えること。起床時に眼脂(目やに)がまぶたに付着するのを感じます。半年程度で落ち着いてきます。涙が増えるのでドライアイの症状が改善することもあります。

□まぶしさ

文字通り眩しさを感じます。外出時はサングラスを着用することをおすすめします。眼瞼けいれんの症状の一つとして現れることもあります。

まぶたの腫れぼったさや赤み

腫れや赤みは全ての手術患者さんに現れます。半年経過しても腫れぼったさ(と言うよりは浮腫み)や赤みが残ることがあります。もともと腫れぼったいヒトや眼輪筋の緊張の強いヒト(男に多い)にその傾向が見られます。

稗粒腫(はいりゅうしゅ)

切開瘢痕部もしくはその周囲皮膚に0.5~1mm程度の白く隆起した斑点が現れます。毛穴や脂腺開口部がふさがって角質が詰まることによります。自覚症状はありません。放置すれば自然に退縮します。

長期間改善しない場合はつついて内容を排出します。

霰粒腫(ものもらい)

瞼板(けんばん)より生じる肉芽腫です。切開瘢痕直下にコロコロとしこりを触れます。大きくなったり小さくなったりします。

目立つ、もしくは長期間改善しない場合は小切開(局所麻酔)で肉芽を掻爬(掃除)します。

□皮膚・皮下の硬結(しこり)

手術侵襲に対する創傷治癒過程で、部分的に固い瘢痕が生じます。半年程度で柔らかくなってきます。

□縫合糸膿瘍・露出

縫合に用いた糸に対する異物反応が起こる事があります。膿ができたり、外から透けて見えたり、露出してきます。糸の摘出が望まれます。

□目の違和感・ツッパリ感

違和感やツッパリ感は個人差はあります。手術直後は必ずありますが徐々に慣れてきます。

□まぶたのしびれ・痛み

皮膚切開部の皮膚の知覚が麻痺します。徐々に回復しますが、回復過程でピリピリ感が出ることもあります。完全に回復しないこともありますが、日常生活には支障ありません。メークする習慣のないヒトは気づかないこともある現象です。

切開縫合部の目立つ瘢痕

目尻側の傷跡の幅が広くなることがあります。若年ほどそのリスクがあります。キズが成熟(注)してから修正手術を検討します。

低矯正・過矯正

期待したほどまぶたが挙がらない、もしくは挙がりすぎることです。左右差が目立ちます。修正手術の適応です。

左右差

3から6ヶ月経過して変わらなければ修正手術の対象となります。もともとの筋力や骨格の左右差、神経支配、利き目、利きマブタ、ヘリング効果など左右差を作る要素はたくさんあります。

眉毛下垂・顔貌の変化

おでこの筋肉(前頭筋)の緊張が低下することにより眉の位置が下がります。顔つきが変わったように感じます。おでこの緊張も月日とともに回復し、眉の位置がふたたび上がってくることもあります。

□眼瞼の輪郭に対する違和感

「もう少し丸い形が良い」「内側ピークが良かった」・・・などなど目の形に対するこだわりがあり、期待通りにならないことです。元々の骨格や皮膚・脂肪の厚みなどの影響で、仕上がりには限界もあります。

睫毛外反

睫毛が上を向くことです。睫毛が貧毛の場合、睫毛の奥のwaterline(ピンクの結膜部分)が目立つようになります。修正はやや困難です。

□下垂の再発

機械的な刺激(こする習慣、コンタクトレンズ、打撲など)により腱膜固定糸がゆるみます。加齢現象として、経過した年月の応分の下垂の進行はあります。再手術の適応です。

□眼瞼けいれんの顕在化・悪化

 まれに潜在的に眼瞼けいれんを持ち、術後に悪化することがあります。眩しさ、目のショボショボ感、まぶたの重さを強く感じます。追加手術やボツリヌス毒素注射治療を検討します。

注)きずの赤みが退き、硬さがこなれて柔らかくなること。

(2017年1月17日加筆修正)

眼瞼下垂治療を考えている方限定の7日間限定無料メール講座。1週間でまぶた専門家に。

『あなたの疑問を解決する、専門医が伝える7つの心得』

登録はこちら