眼瞼下垂症の治療

眼瞼下垂症の治療は手術

眼瞼下垂症手術の適応

眼瞼挙筋のチカラを利用した眼瞼下垂症手術の適応(治療の対象になる人)は、

  • 腱膜性眼瞼下垂症
  • 老人性眼瞼下垂症
  • 症候性眼瞼下垂症で眼瞼挙筋の力が残ってい場合
  • 先天性に瞼が重たくて睫毛内反症を合併している場合
  • 生まれつきの細い目

などです。

症候性眼瞼下垂症とは?

眼瞼下垂の分類ページを参照

これら症候性眼瞼下垂は、原疾患の内科的治療により改善が期待できます。内科的治療で今以上の改善が期待できなくなったとき、眼瞼下垂症手術を検討します。例えば重症筋無力症、ホルネル症候群による眼瞼下垂症は良い適応になります。

(例外)挙筋の収縮能力が無い、もしくは乏しい場合

眼瞼挙筋の力が無い場合は筋膜移植を行います。人工物(ゴアテックス®︎、ナイロン糸)を用いることもあります。

筋膜移植の適応は

  • 先天性眼瞼下垂症:挙筋の収縮能力が乏しいもの
  • 症候性眼瞼下垂で挙筋収縮能力の乏しいもの
  • 老人性で挙筋収縮能力が失われたもの

です。

機能的眼瞼下垂症手術の特徴

眼瞼下垂症手術では、眼瞼挙筋のチカラを利用します。

  • 腱膜修復術
  • 挙筋前転法
  • 腱膜固定術

などと呼ばれます。眼瞼挙筋腱膜を瞼板へ固定し、眼瞼挙筋のチカラがまぶたへダイレクトに伝わるようにする術式です。

機能的眼瞼下垂症手術では上の術式に基づいて

を十分に考慮して、自然なまぶたの開け閉めを回復させることを目的とします。

機能的眼瞼下垂症手術の具体的手技

まぶたを持ち上げるための各種抵抗成分を処理(腱膜外角の切離、下位横走靱帯切除、眼輪筋切除など)します。ミューラー筋(まぶたを持ち上げるための、生理学的な反射弓に必要な知覚を有する)に触れず、瞼板前組織の郭清を極力行わない(再手術を想定しています)ようにします。このことにより、20年、30年後を見据えた、再手術が可能な術式になります。

生理学的に自然な開瞼を得ることが目的です。眼瞼挙筋の遅筋を収縮させるための反射弓を復活させることが優先課題となります。挙筋の前転量は控えめになります。

眼瞼下垂の時の写真。挙筋腱膜が見えている。

白い膜状の挙筋腱膜を縫合糸で瞼板に固定

 

◎Matsuo K. Restoration of involuntary tonic contraction of the levator muscle in patients with aponeurotic blepharoptosis or Horner syndrome by aponeurotic advancement using the orbital septum. Scand J Plast Reconstr Surg Hand Surg. 2003; 37(2): 81-9.

◎松尾清. 【日常診療に役立つ形成外科基本手技のコツ】 頭頸部 眼瞼下垂症手術. 形成外科. 2004; 47(増刊): S274-S278.

※厚ぼったい瞼にはROOF切除を行う事もあります。

※術後も上眼瞼皮膚の下垂が顕著に残る場合は、後日改めて上眼瞼リフト(眉毛下皮膚、眼輪筋、ROOF切除)を行います。

手術の問題点

術後の腫脹と紫斑(内出血斑)です(注)。サングラスや太いフレーム(ふち)のめがねでカモフラージュする必要があります。手術の合併症参照

特に一重まぶたのヒトは顔の印象が変化します。

左右非対称のために5%が再手術を受けています。

注)営業職の人は1,2週間は業務に支障が出ます。

あらかじめご理解いただきたい点

  • 手術による肩こり・頭痛などの改善はまぶたに由来するものしか期待できません。
  • 本手術は美容を目的としたものではありません。
  • 手術により顔の印象が変化するのは避けられません。
  • 修正手術を必要とすることもあります。
  • 術後の腫脹はしばらく続きます。
  • 眼瞼下垂症の手術後に直後、もしくは数年かけて眼瞼けいれんが現れてくることもあります。眼瞼下垂症の手術をしたのにまぶたが重い、肩こりが復活したなどの症状が出たら眼瞼けいれんを疑うこともあります。

 

実際の手術の流れを見てみましょう。

まぶた治療を考えている50歳以上の女性限定メール講座

「専門医が伝える、眼瞼下垂症治療の7つの心得」
期間限定の非公開症例写真は受講者だけに。7日間コースで一緒に勉強しませんか?