心配無用!眼瞼下垂手術後の出血斑(青あざ)はまる1ヶ月で綺麗に。

こんにちは、金沢です。

「誰かと喧嘩した?」「転んで顔を打った?」目に青あざがあると周りの人が心配します。眼瞼下垂症などのまぶた手術後に出血の影響で出血斑(青あざ)ができることがあります。青あざもまぶたの手術を躊躇させる要因ですよね。青あざがなぜ出来るのか?どのように対処すべきか?まとめました。

まぶたの術後出血斑(ecchymosis)は気になる術後経過の一つ。青アザ(紫斑)です。

血腫が皮膚を通して青く見えます。

なぜ手術で青あざができるのか?

紫色の出血斑を作るきっかけは

  • 麻酔注射時に皮下の血管に針先があたって出血する
  • 術中に出血した血液が皮下組織に残る
  • 皮膚を閉じる縫合で皮膚に針を通すときに皮下の血管に針が当たって出血
  • 切開した眼輪筋などの組織、縫合した皮膚真皮直下からの、術後のじわじわ出血がしばらく続く

などです。

術者も細心の注意を払いますが完全には防げません。組織内に染み渡るように血腫が生じるので目の前で紫斑ができても取り除く事ができません。残念ながら一定割合で生じます。程度も様々です。

本人は痛みはないのですが、見た目が痛々しい。 😥

青あざの経過は?

術後1週間は紫色に(下まぶたも)目立ちます。厚めのフレームのめがねなどでカモフラージュをすることが必要です。

2週間程度で血液が分解されておおむね黄色に(ヘモグロビンがヘモジデリンになる)なっていきます。この辺りからメークで隠せるようになるでしょうか。黄色が吸収されるのにさらに2週間かかります。つまり都合1ヶ月かかります。

以下は術後出血斑が目立った患者さん(左目)です。

眼瞼下垂術後1週間の写真。腫れたまぶた。紫斑もある。

術後1週間 下まぶたも紫色に

眼瞼下垂術後2週間の写真。紫斑も落ち着きを取り戻しつつある。

術後2週間 紫色から黄色に

眼瞼下垂術後4週間の写真。内出血も綺麗に退いた。

術後4週間

 

出血斑を生じさせないために出来ることはないのか?

上に記した要因を作らないように、術者が努力することで、ある程度抑えることは出来ます。

患者さんサイドが出来ることとしては

  • 抗凝固療法、抗血小板療法の中断(出血傾向があるため)
  • 術後に頭に血が昇る行為、血の巡りが良くなる行為(飲酒、運動、暑い湯船に浸かるなど)を控えること。
  • 創部を機械的に刺激しないこと(こすったりしない)

です。

抗血小板薬などは休薬すべきか?

私がまぶた治療を行う際には、血栓予防の抗凝固療法や抗血小板療法は無理に中断(休薬すること)しません。理由は、万が一休薬中に塞栓症(脳梗塞など)を発症した場合、後遺症を残す可能性が高いからです。そのためには紫斑はやむを得ないと考えています。

抗凝固療法中の場合は、ワーファリン内服中断中に「低容量ヘパリン化」を行う事もできます。血栓傾向を持つ時間を最小限に出来ます。ところが、ヘパリン化は不要かもしれないとの報告もでました。(The New England Journal of Medicineより。2015年8月。)

Perioperative Bridging Anticoagulation in Patients with Atrial Fibrillation — NEJM
ヘパリン化は不要かもしれない
心房細動を持つ患者さん1884人を対象に検証。ワーファリン内服を中断して、

  • ヘパリン化する
  • ヘパリン化しない

のグループ分け。結果は、どちらも血栓塞栓症を生じる頻度は変わらず。むしろヘパリン化したグループは術後出血が増えた。

今回のレポートは心房細動の患者さんだけがターゲットでしたが、「入院してヘパリン化を行う」という煩わしさがハードルになっていた患者さんや医療機関にとっては心強いものとなりそうです。

この度は眼瞼下垂症啓発目的に写真使用することを承諾いただきました。ありがとうございました。(埼玉県の患者様)

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眼瞼下垂術後1週間

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