ミュラー筋ってどこにあるの?

こんにちは、金沢です。

ミュラー筋とは何か?どこにあるのか?そもそも何をしている筋肉なのか?眼瞼下垂でどう関わるのか?眼瞼下垂の治療でどのような影響があるのか?

ミュラー筋とは・・

○まぶたを持ち上げる筋肉、4つのうちの一つ (他は眼瞼挙筋、前頭筋、上直筋)

○Müller’s muscle. ミューラー筋。上瞼板筋(superior tarsal muscle)とも呼ばれる。https://en.wikipedia.org/wiki/Superior_tarsal_muscle

○下まぶたにもある。

○かつては開瞼維持(まぶたを挙げ続ける)に機能していると言われた。

注:毛様体筋の一部であるミュラー筋とは異なる。

ミュラー筋の場所、解剖

○眼瞼挙筋の末端(下端)裏から瞼板までシート状に繋がる。長さは10〜12ミリ。幅15ミリ。柔軟に伸び縮みする。ミュラー筋の裏はまぶたの結膜。写真では白いシート状の挙筋腱膜の裏にもミュラー筋が続いている。

眼瞼下垂の手術時のミュラー筋の写真 Muller muscle

まぶたの手術の時に見えるミュラー筋。

眼瞼下垂の手術時の写真。ミュラー筋を示す。挙筋腱膜と瞼板の間に見える

ミュラー筋とその周辺の解剖を示す

◯瞼板(けんばん)寄りをperipheral arcade (辺縁動脈弓)が水平方向に走る。挙筋腱膜が外されて頭側にめくられている。瞼板とミュラー筋が見える。写真では、瞼板上縁すぐ上にミュラー筋の中を横方向に蛇行する血管(peripheral arcade)が観察される。

眼瞼下垂の手術時の写真。ミュラー筋を示す。挙筋腱膜が持ち上げれられている。

まぶたの手術時の別の視野

まぶたのたるみ手術時の写真。ミュラー筋の周辺。muller muscle.

ミュラー筋周辺の解剖を解説

 

ミュラー筋の機能

○交感神経支配(涙腺神経の中を通ってくる)(交感神経麻痺で下垂になるよ)の平滑筋(腸管や血管など)からなる。

伸展受容器(固有感覚)をもつ。引っ張られると三叉神経を介して脳幹に求心性のインパルスを送る。このインパルスを通して眼瞼挙筋や前頭筋の緊張を制御。(例」涙腺神経を切っちゃうと下垂になる)

固有感覚が交感神経を刺激して覚醒にも関わる。ミュラー筋を引っ張れば覚醒度が上がる。

○睨む目つきは固有感覚を増やす。格闘技、重量挙げ、自閉症(固有感覚を欲する)。

まぶたの病気

○交感神経麻痺でミュラー筋が弛緩し、眼瞼下垂になる。

○腱膜性眼瞼下垂で腱膜が薄くのびてしまうとミュラー筋が引っ張られすぎてしまい、身体の筋緊張が強くなる。結果、肩こり頭痛腰痛がでる。

○腱膜性眼瞼下垂症でミュラー筋が伸びすぎると感度が低下し、眼瞼挙筋が収縮しなくなり、眼瞼下垂がより酷くなる。

眼瞼下垂(まぶたのたるみ)の治療とミュラー筋

○眼瞼下垂症手術でミュラー筋タッキングやミュラー筋前転が行われることもある。

○一方、固有感覚受容器でもある臓器なので極力触らない方が良いとの意見もある。

○埋没法重瞼術の後に眼瞼けいれん(目がしょぼしょぼするなど)が生じることがある。ミュラー筋を刺激している可能性がある。

○海外の眼瞼下垂手術の文献ではミュラー筋を結膜ごと切除する術式が散見される。私個人としては、固有感覚に影響を与えないか心配。目の開き加減の微調整は難しいだろう。

固有感覚とは?

自覚できない深部感覚。身体の姿勢や位置、負荷を感知する。骨格筋では筋紡錘、歯では歯根膜に感覚受容器がある。

参考)固有感覚でない感覚、体性感覚
  • 皮膚の温痛触覚など:マイスネル小体 パチニ小体 侵害受容器・・・
  • 視覚:網膜
  • 味覚:味蕾(口の中、舌)
  • 嗅覚:鼻腔の嗅覚受容器
  • 聴覚:内耳

 まとめ

以上、徒然なるままにミュラー筋をまとめました。ミュラー筋の機能や手術時の扱いについてはいまだ未知なことがあります。今後のさらなる研究が望まれます。

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眼瞼下垂手術の時の写真。ミュラー筋を示す写真

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