金沢 雄一郎
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金沢 雄一郎

1974年生まれ。医師、医学博士。眼瞼下垂治療に特化した形成外科専門医。大学病院で眼瞼専門外来を設立。2016年からは独立医師に。眼瞼下垂の啓発活動中。プロフィールをもっと詳しく

  • 2023年11月13日
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眼瞼下垂手術を検討中で、過去に埋没法裏留めを受けている人へ

裏どめの埋没は必ず医師に申告して 埋没は普遍的な手技。一般的には結び目(糸玉)は皮膚側にあります。これを「表どめ」といいます。 一方、結び目を瞼の裏側に置く方法があります。「裏留め(うらどめ)」です。表から見えないメリットがあります。 通常の埋没法は結び目(糸玉)が皮膚の下にあります。一方、裏留め埋没法は結び目が結膜側(眼球側)にあります。 裏留めをした方は強く認識しておいてください。気高く念じて […]

  • 2023年10月11日
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注入過剰症候群Overfilled Syndrome (オーバーフィルドシンドローム)はなぜ起こるのか?

セレブの顔がおかしくなってきた。なにか入れすぎてる感がすごくて顔が人間離れしてきてる。 セレブの画像や動画をみてこのような感想をいだいたあなた。そうなのです。世界的にも問題として取り扱われはじめました。 Overfilled Syndrome 入れすぎ症候群 フィラーを顔に注入して若返り。唇や顎に入れてより魅力的に。 手軽でダウンタイムも短いことから人気のある美容医療。フィラー(ヒアルロン酸製剤) […]

  • 2023年7月31日
  • 2023年8月2日
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可能性possibilityと確率(蓋然性)probability

「〇〇が起こる可能性はありますか?」 可能性があるか?に対する答え。 本来「可能性」は「ある」か「ない」かの二者択一です。コインの表裏。 つまり「可能性possibility」に「程度」はありません。 仮に「可能性が50%」と表現すると、裏でもあり同時に表でもある状態となり、シュレーディンガーの猫になってしまいます。これはナンセンス。 もし程度を用いたい場合は「確率(蓋然性)probability […]

  • 2023年6月25日
  • 2023年9月2日
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眼瞼下垂の他院修正:術式を瞬時に理解することが必要

また私の他院修正本棚に1冊追加されました。挙筋腱膜とROOF(ある種の脂肪組織)との間をグルグル往復するナイロン糸。 頭の中が???となります。(今回は個人的見解の記事です) 他院修正の本棚 まぶた治療に専念して20年近く。まだまだ知らない世界があります。自分が体得した手術方法など数あるなかのひとつ。周りを見渡せば術式はいくらでもあります。 他医が執刀した手術の修正をするに当たっては、世間で行われ […]

  • 2023年5月30日
  • 2023年5月30日
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眼瞼下垂手術後の歓迎されざる変化

眼瞼下垂手術はまぶた内部の修復。 まぶた内部の機能が変化します。そして表情筋の緊張バランスが変化します。 つまり顔つきが変わるわけ。 目つきの変化 目が開きやすくなると同時に眉が下がります。目と眉が近くなりますね。 これだけでも目の印象がキリッとした雰囲気になります。 一方目と眉の間にあるボリュームが圧縮されるので厚ぼったさが出てくることもあります。 それだけではありません。 眉間にしわがより、鼻 […]

  • 2023年4月28日
  • 2023年4月28日
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眼瞼挙筋と滑走性と疎性結合組織

もし疎性結合組織(そせいけつごうそしき)がなかったら 私達は身体を動かすことができません。硬直したままです。 困りますよね。 疎性結合組織って何でしょう? あなたの左の手の甲の皮膚をつまんでみてください。皮膚が持ち上がりますよね。 皮膚ごとマッサージしてみてください。皮膚の下の組織(筋肉、腱、骨)とずれて動くのがわかりますよね。皮膚とその下の構造物の間に滑りがあるのがわかると思います。 これを可能 […]

  • 2023年3月30日
  • 2023年3月30日
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挙筋前転法と挙筋短縮の違いについて

「先生の術式は挙筋前転ですか?それとも挙筋短縮ですか?」とよく聞かれます。 わたしは「挙筋前転をします」と回答します。 筋肉の末端を前転(前進)するか後転(後退)させる発想で、斜視の手術と同じ。 私の理解では「挙筋短縮」は過去の術式です。テキストによると挙筋を切り取って短くする術式。2ミリの下垂の人は10〜13ミリ筋肉を短縮切除します。想像できませんし、そのような手術を生で見たこともありません。と […]

  • 2023年2月3日
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眼瞼下垂術後のリハビリテーション。可動域訓練

眼瞼下垂手術後のリハビリテーションって? キーワードは「可動域:Range of Motion」です。 想像してください。 あなたは脚を骨折し、ギプス固定を3週間行いました。そして、ついにギプスを外す瞬間がおとずれました。 アナタの足首は曲がるでしょうか? ギシギシ…・・ そうです。 身体のあらゆる部位は動かさなかったらこわばって動かなくなるのです。 しかしそこからリハビリテーション、つまり動かす […]

  • 2022年12月20日
  • 2023年1月2日
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眼瞼下垂治療の基礎と歴史が詰まったBeard’s ptosis 『眼瞼下垂』

「多くの眼形成手術の中で、眼瞼下垂は一定した結果を得るのが難しいという理由で、最も興味をそそられるものだった。」ーMichael Callahan Crowell Beard博士による「眼瞼下垂」第四版 1990年に発行された”Beard’s ptosis fourth edition”。 初版は1969年。高さ286mm,幅217mm,厚さ23mm,重さ121 […]

  • 2022年11月24日
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自分の身を守るために患者力をつけましょう

『患者力』 まぶた手術を検討中のあなたへ贈ります。 自分の家族が患者であると仮定して、家族にアドバイスする視点(立場)です。医療を提供する側の視点ではありません。医療を受ける側が最も得する(損しない)ための提案です。 自分の身を守るためには患者自体がスキル(患者力)をもつ必要があるということです。 1)主体性を持つこと 自分の問題解決のために『医療機関を利用する』くらいの主体性をもって臨みましょう […]