眼瞼下垂症の治療(手術)をすると、「目がぱっちりに」「若々しくなる」といった変化が現れます。しかし、このような変化を希望しない人もいるはず。顔の印象を変えないためにはどうしたら良いのでしょう?
手術後に顔の印象が変わらないようにするためには、
「余分な手技を加えずにシンプルな術式に徹すること」
- 皮膚切除をしない
- 皮膚切開は元の重瞼ラインを尊重する
- 挙筋腱膜の修復はするが挙筋の前転は最低限
逆に、本来の骨格に逆らって幅広重瞼をデザインしたり、皮膚、眼輪筋や脂肪の切除などプラスアルファの手技を多く加えるほど治療前後の変化が大きくなります。
実際のモニターさんを見てみます。
皮膚切除も行わない。挙筋腱膜を修復するが挙筋前転せず。
結果:まぶたの縦方向の開き具合は0.5mm大きくなりました。黒目が0.5mm下がりました(下垂の修復による)。瞳孔中心(角膜反射)から上まぶたの縁までの距離が1mm大きくなりました。
患者さんの視野が広がりました。楽にまぶたを開けることができるようになりました。
いかがでしょう?
一見するとほとんど顔の印象は変わりません。しかし、自覚症状の改善は十分にあります。
今まで「8」のチカラを動員して目を開けていたのが、「3」のチカラで済むようになるのです。
特に、高齢な方のまぶたの手術は目をパッチリにしないほうが良いですね。(小泉医師も述べてます。)
関連記事:『眼瞼下垂手術でパッチリ大きな目に仕上げない理由』
- 年齢:**
- 性:男性
- 手術:両側の挙筋腱膜修復術
- 皮膚切除:なし
- 脂肪切除:なし
- lateral horn リリース:なし
- 下位横走靭帯:左右とも発達は弱い
- 挙筋腱膜の滑り:右:0 1(2)3 4 左:0 1(2) 3 4
- 挙筋前転:右:微量 左:微量
- ミュラー筋処理:左右ともなし
- 手術時間:35分
眼瞼下垂症治療啓発目的に写真使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます。
あとがき
深谷赤十字病院形成外科に診療支援に来てくれた河野医師。6月で終了です。お世話になりました。
こういう切れ長の目もいいですよね。流行の「死んだ目男子」?
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