「エレベーターが怖い」
「電車は各駅しか乗れない」
「MRI検査が怖くて受けられない」
そんなあなたは眼瞼下垂手術を受けることができるでしょうか。
閉所恐怖症(パニック障害)と眼瞼下垂手術
狭いところにいるとそこから逃れたい気持ちになります。ドキドキして息苦しくなり、「死んでしまうのでは」との観念に囚われます。
定義として、「恐怖または不安が実際の危険と釣り合わない」とされています。「大丈夫。安全で身に危険はない」と理屈では納得できても感情は受け入れることができません。
決してまれなものではなく、病院のMRI検査室では日常の光景となっています。検査の際に「ギブアップするときはこのボタンを押してください」とスイッチを渡されます。
眼瞼下垂手術は閉所なの?
穴の空いた青いシーツで顔を覆います。目元のみ露出する場合から顔全体が露出する場合もあります。
何れにせよ、これが閉塞感を演出してしまうのですね。そしてドキドキしてしまうのです。
60分から90分の手術です。「じっとしていなければいけない。ピクリとも動いてはいけない」そんな思いも助長してしまうのでしょうか。実際には「微動だにしてはいけない」などということはありませんけど。
対処法
なるべく会話を継続します。気持ちを紛らします。
そしてこうお伝えします。
「つらくなったらおっしゃってください。私達はいつでも手を休めることができます。顔の布を外して起き上がることもできますよ」
眼瞼下垂手術の大事なポイントは細切れなんです。細かなピースの積み重ねです。だから休むポイントは無数にあるのです。
綱渡りをはじめたらゴールまで休むことはできませんが、眼瞼下垂手術は常に小休止可能なポイントがあります。
手術の途中にトイレに行く患者さんもいるくらいですから。
怖いときは恥ずかしがらずに「怖いです。手を握ってください」と言ってみてください。優しい看護師がそっと手を添えてくれます。
どうしても心配なら
無理に手術をしなくても良いです。あわてないでください。症状が落ち着いているときに手術スケジュールを組みましょう。
医学的な対応としては、安定剤を使用するのも選択肢です。少しは症状を和らげてくれるでしょう。
手術のときだけ鎮静する(眠ってしまう)という選択肢もあります(対応する医療機関は限られます)。ただしあらゆる医療行為にはリスクが伴うもの。天秤にかけて判断します。
余談)私金沢が怖いもの
閉所といえば布団にくるまれる「簀巻き」でしょうか💦
あとゴキブリ恐怖なども。明らかに理屈を超えて怖いです。彼らの害っていうほどないはずです。もし自分の服の中に入ってきたら血管迷走神経反射で失神できます。
「このGは無菌です。食べても害はありません。」と言われたってムリなものはムリ。これは限局性恐怖症ですね。
この「ムリ」という感情ってどうしようもないですよね。だからわたしは患者さんには無理を言いません。
ちなみに手術台、処置台はわたしにとってはリラックスする場所です。歯医者さんでは睡魔と格闘することもあります。