こんにちは、金沢です。
眼瞼外反(がんけんがいはん)症の治療の紹介
下まぶたが「あっかんべー状態」になります。下まぶたの赤い結膜が露出して空気に触れます。
放置すると
- 痛み、違和感
- 流涙、ドライアイ(瞬目が機能しない)
- まぶた結膜の傷害
- 眼球表面の傷害
加えて、見た目が痛々しい。。。。
下まぶた外反症の原因としては、
- 加齢性
- 顔面神経麻痺
- 内反症手術の合併症
- したまぶたたるみ取りの合併症
などが挙げられます。
受診する診療科は?
眼科もしくは形成外科です。
重度な眼瞼外反には以下の手術を組み合わせます。
- 瞼板全層横方向短縮と皮膚の吊り上げ
- 眼輪筋の眼窩外側縁骨膜への吊り上げ固定(lateral canthopexy)
- 下眼瞼牽引靭帯(lower lid retractor)の瞼板への付け替え
- 瞼板の眼窩外側骨膜への固定
- 軟骨移植
- 筋膜移植
- 皮膚移植
これらの手技を症例に合わせて組み合わせます。
これだけの手術手技があるということは、一つの手技でバシッと治る治療法がないことを意味します。
つまり、難しい手術ということです。
術者にとってもストレスになる手術です。上の手技をフルコースでやれば成功率は高まるでしょうが、当然患者さんの犠牲がおおきくなりますよね。最小限の犠牲で治したいです。
[voice icon=”https://manabuta.jp/wp-content/uploads/2017/05/c14176b8e7bba9b67e7f617482a24926.jpg” name=”かなざわ” type=”l”]残念ながら、最小限の手技で綺麗に一発で治す保証はありません。。。[/voice]実際のモデルケースです
姑息的にテープ固定して下まぶたを支える方法もあります。
しかしそれも限界に達した齢80代の患者さんです。
- 瞼板全層横方向短縮と皮膚の吊り上げ
- 眼輪筋の眼窩外側縁骨膜への吊り上げ固定(lateral canthopexy)
- 下眼瞼牽引靭帯(lower lid retractor)の瞼板への付け替え
を行いました。
正直大変でした!なかなが下眼瞼が内側に回ってくれない・・・矯正が困難であることから経過が長かったことが予想されます。
眼瞼外反でお悩みのかたのために、写真を使用することを承諾いただけました。心より感謝申し上げます。(静岡県の患者さん)