上眼瞼リフト(眉下切開)の適応、利点・欠点

上眼瞼リフト

まぶたのたるみへの対処としての新しい術式。シンプルな上に安全。今度急速に普及してくると予想されます。

眼瞼挙筋前転法とは全く異なるアプローチです。適応も全く異なります。その違いを十分に理解しましょう。

上眼瞼リフト(眉下切開)

近年、急速にその存在感が脚光を浴び出した術式。眉の下の皮膚を切り取って、まぶたを持ち上げる手術です。

  • 眉下皺取り術
  • 眉下切開
  • 眉毛下皮膚切除術

などとも呼ばれます。

具体的な術式

眉の下にそって皮膚切開、それよりも下5〜6ミリ程度(個人差あり)の幅で皮膚を切除します。必要により眼輪筋やROOFを切除します。そして皮膚を縫合します。

以上です。挙筋前転法に比べると比較的シンプルです。

そして1週間後に抜糸。

上眼瞼リフトの適応は・・・・

(1)まぶたが厚ぼったい上に、皮膚がたるんでいる。

(2)眼瞼(後葉)を持ち上げる眼瞼挙筋の機能が残っている

以上です。通常の眼瞼下垂症手術(挙筋前転、腱膜固定)を行った後、皮膚のたるみが強く残った場合も適応になります。

さらに

(3)眉下のきずあとが残ることを受け入れられる

ことが必要条件です。普通の挙筋前転法と違い、傷は隠れません。女性はメークをすることができますが、男性は眉メークをしないので瘢痕(きずあと)が露出します。ある程度高齢の男性なら眉毛が垂れることで隠れます。

注意:後葉の(真の)眼瞼下垂がある人には効果は出にくいです。まずは普通の眼瞼下垂症手術でまぶたの中身を修復することを優先します。

上眼瞼リフトのメリットは?

(1)厚ぼったいまぶたがスッキリする

(2)顔の印象を大きく変えない

(3)ダウンタイムは通常の眼瞼下垂症手術より短期間で済む

ことが挙げられます。「術後のまぶたの違和感などの愁訴」も通常の挙筋前転法より少ないです。

さらに

(4)細かな左右差が気になりにくい

と言う点です。なぜなら元々の姿が顔を出してくるだけなので、「手術によって左右差が作られてしまった」という感覚を持ちにくいのです。これ、意外に大きな要素だと思うのですがいかがでしょう?患者さんにとって必要以上に気にやむ要素が減るのです。これはイコール医療機関側にとってもメリットです。

上眼瞼リフトの問題点

(1)傷(瘢痕)が見える

いかにパーフェクトに縫合されたとしても、5ミリ幅で皮膚を切除したら、傷は分かります。それはなぜか?

皮膚というのは場所が5ミリ違えば、厚み、色、キメ、質感、毛の生え方などが異なるのです。つまり、違う素材同士のシートを縫合するわけですから、縫い目が綺麗でも結局「パッチワーク」なのです。先ほど述べたように、メークでカモフラージュするか、眉毛を伸ばして隠しましょう。

関連記事:『上眼瞼リフトの眉下のきずあと、色のギャップをあなたは受け入れられますか?』

(2)目頭側の皮膚のたるみを取りにくい

眉の中でデザインを完結したいからです。そして、目頭側の傷は目立ちやすいというハンデが重なってきます。

(3)ドッグイヤが目立つことも

縫合線の端が少し盛り上がることがあります。ある程度の幅の皮膚切除では宿命です。これを目立ちにくくするには切開線を長くせざるを得ず、悩ましいです。

(4)眉位置が変化する

想定以上に眉が下がってくることがあります。その結果、眉のメークの場所が術前と変わる可能性が生じます。すると、瘢痕とメークの場所にギャップが出ることもあり得るのです。

そんなわけでまだ発展途中の術式とも言えます。しかしながら、まぶたのたるみへの対処法の選択肢の1つとして重要な位置を占めるようになるでしょう。

上眼瞼リフトのモデル患者さん

まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の機能は比較的しっかりしていたので、まぶた前葉を持ち上げる「上眼瞼リフト(眉下切開)」を選択しました。7mm幅で皮膚切除しています。まずは正面視。

上眼瞼リフト術後一年
目の淵に色々シワがありますが、元々のシワです

そして上方視。上方視における差がはっきり表れていますね。

眉下切開上方視
上を見やすくなった

傷跡(瘢痕)

実は、眉の目頭側をさらに内側に超えた皮膚切除をしています。したがって眉頭を超えた切開線が見えます。正直言うと、これは頑張りすぎのデザインです。

上眼瞼リフトの瘢痕
パッチワークなのも分かる

動画

 

※眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます😊

 

尚、こんな体験もありました。

関連記事:『まゆのアートメークを直しつつまぶたを持ち上げる手術|上眼瞼リフト』

参考文献

Ichinose Extended infrabrow excision blepharoplasty for dermatochalasis in asians. Arch Facial Plast Surg. 2011 Sep-Oct;13(5):327-31.

上眼瞼形成術:眉毛下アプローチ 林寛子 PEPARS No.87:59-66,2014

上眼瞼形成術:拡大眉毛下皮膚切除術 一瀬晃洋 PEPARS No.87:67-72,2014

尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。

 

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”講師金沢はなぜ自ら眼瞼下垂症手術を受けようと思ったのか?その経緯は?”
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個人的な体験、解釈、裏話もあります。

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