眉下切開は、眉の下の皮膚を切除して、上まぶたのかぶさりを軽くする手術です。
ただし、単なる「たるみ取り」ではありません。
そして、眼瞼下垂手術の代わりになる手術でもありません。
まぶたが重い。
視界が狭い。
目尻の皮膚がかぶさる。
でも、二重の形は大きく変えたくない。
そのような方にとって、眉下切開はよい選択肢になることがあります。
一方で、適応を誤ると、眉下の傷あと、眉の位置の変化、ひきつれ、やつれ感、目元の違和感が残ることもあります。
眉下切開で大切なのは、傷をきれいに縫うことだけではありません。
どの皮膚を取るのか。
どの皮膚を残すのか。
目を閉じるための余白をどれだけ残すのか。
眉の位置が下がったとき、リフト効果がどれくらい打ち消されるのか。
目頭側、眉間、鼻根部のたるみをどう考えるのか。
ここまで含めて設計するのが、眉下切開です。
この記事では、眉下切開の適応、利点、欠点、傷あと、取りすぎのリスク、そして私が考えるデザインの原則について解説します。
眉下切開は、魔法の若返り手術ではありません。
しかし、適応が合えば、顔の印象を大きく変えずに、まぶたの重さを軽くできる価値ある手術です。
眉下切開
眉の下の皮膚を切り取って、まぶたを持ち上げる手術。
- 眉下皺取り術
- 眉下リフト
- 眉毛下皮膚切除術
- アイリフト
- 上眼瞼リフト
とも呼ばれます。
具体的な術式
眉の下にそって皮膚切開、それよりも下5〜15ミリ程度(個人差あり)の幅で皮膚を切除します。眼輪筋やその下の組織を切除することも。そして、皮膚を縫合します。以上。挙筋前転法に比べると比較的シンプルだとわかりますね。

1週間後に抜糸。通常は、その1週間は洗顔も可能なはず。
眉下切開の適応は…
“適応”とは「医学的な妥当性があり、治療によってメリットを享受できる条件を持つこと」の意味で使われます。
- まぶたが厚ぼったい上に、皮膚がたるんでいる(Drooping)
- 眼瞼(後葉)を持ち上げる眼瞼挙筋が機能している
以上。学術的には「眼瞼皮膚弛緩症」とよばれる病態。いわゆる加齢現象でしょうか…眼瞼下垂症手術(挙筋前転)を行った後、皮膚のたるみが強く残った場合も適応になります。偽性眼瞼下垂(眼瞼下垂もどき)ともいいます。
さらにもうひとつ、必要な条件があります。
- 「眉下にきずあとが残ること」を受け入れられるマインドを持つこと
眼瞼下垂手術と違い、傷が隠れないからです。
眉下切開をすすめにくい人
“不適応”です。やらない方がいい人のこと。推奨できない人。やめた方がいい人。
- 若い(△)(金沢の主観コメント)
- 眉が薄い(△)
- 目と眉が近い(△)
- 眼瞼痙攣がある(△)
- 後葉下垂(真の眼瞼下垂)がある(❌に近い)
- 鼻根部に横皺がある(❌)
- 傷あとに非常に敏感である
100点満点で適応になる人って意外に多くないんです。
現実には、通常の眼瞼下垂症手術と眉下切開のどちらを選択するか、迷うことも多いです。関連記事:『偽性眼瞼下垂症の手術方法は複数。眼瞼下垂手術か、眉下切開か?』(内部リンク)。ですが、「眼瞼下垂の手術は怖いから眉下にしておこう」という発想はまったくの勘違いです。適応を診断することが大事。
眉下切開のメリット(アドバンテージ)は?
- 顔の印象を大きく変えない
- 厚ぼったいまぶたがスッキリする
- ダウンタイムは、眼瞼下垂症手術より短期間で済む
「違和感などの愁訴」も通常の挙筋前転法より少ないです。
さらに、
- 細かな左右差が気になりにくい
という点。これ、なぜだと思いますか?
本来の目の形が顔を出してくるだけなので、「手術によって左右差が作られてしまった💦」という感覚を抱きにくいのです。これ、意外に大きな要素だと思うのですが、いかがでしょうか。
つまるところ、患者さんにとって、必要以上に気にやむ要素が減るのです。これはイコール医療機関側にとってもメリットです。ただね、ここで忘れてはいけない点があります。
「視野が広くなる」「まぶたが軽くなる」ということ。自覚症状として、身体の疲労感が減り、頭がスッキリするなどの「随伴症状の改善」が見られます(個人差があります)。機能改善の治療なのです。
つぎはデメリットについて。
眉下切開の問題点(課題)
まだまだ、課題は少なくありません。ひとつづつ解説します。
(1)傷(瘢痕)が見える シーム( 継ぎ目)問題
パーフェクトに丁寧に縫合されたとしても、6ミリ幅で皮膚を切除したら、傷はわかります。なぜでしょうか?
皮膚というのは場所が6ミリ違えば、厚みや色、キメ、質感、毛の生え方などが異なります。つまり、違う素材同士のシートを縫合するわけですから、縫い目が綺麗でも結局「シーム(継ぎ目):SEAM」なのです。材料の不連続性に基づく現象であり、「瘢痕」という病理の視点とは異なります。皮膚のトーンがジャンプするので線状に可視化されます。
では、その対処法です。
メイクでカモフラージュするか、眉毛を伸ばして隠しましょう。傷が露出していることを気にしないことも有効な手段です。アートメイクはカモフラージュするための手段になり得ると期待しています。(まだ開発段階)
ちなみに、一部の人に眉下に段差のある傷跡ができていることがわかりました。光の当たり具合で反射して目立つことも。『シームのテカリ現象(シームハイライト)』です。メークでも誤魔化しにくい。私だけでなく、熟練した外科医が縫合してもテカる現象を見て、正直絶望したくらいです。詳細は下のLINE登録後の記事でケースレポートと共有します。
(2)目頭側の皮膚のたるみを取りにくい
眉の中で切開デザインを完結したいから。さらに目頭側の傷は目立ちやすいというハンデが重なってきます。結果、眉頭側の皮膚切除幅を広く取ることができません。むろん鼻根部のたるみも取れません。(それを克服するデザインを後半で案内しています↓)
(3)ドッグイヤー(ドッグイア)が目立つことも
縫合線の端が少し盛り上がることもあります。「ある程度の幅の皮膚切除」では必須の現象です。ドッグイヤーを目立ちにくくするためには、切開線の長さを伸ばすことになります。(もしくは切除幅を控えめにする)
(4)眉位置が変化する
想定以上に眉が下がることもあります。つまり、リフトの効果を打ち消す変化が起こります。その結果、眉のメークの場所が術前と変わる可能性も。すると、瘢痕とメークの場所にギャップが出ることもありえます。
眉間部分はリフトをしていませんよね。だから眉が下がると鼻根部の横皺が出る人もいます。そして、目と眉が近づくので目元の印象が濃くなります。
(5)ひずみによるひきつれ線
目頭から眉尻にかけてのひきつれ線ができます。これを予防するための工夫もしますが、その結果、切開線にギャザーができやすくなります。(下のイラスト参照)
50歳以上の人。眉を意識的に挙げてみてください。斜めの突っ張り線がでませんか?そう、元々ポテンシャルとして「存在している」んです。
(6)瘢痕による注射の痛み
後年、眉間ボトックスを打ちたくなることもあるでしょう。その際の注射が痛く感じます。なぜなら圧をかけないと薬液が入らないからです。
(7)眼瞼下垂は治らない
まぶたの後葉(中身)が破綻している状態が眼瞼下垂。これは前葉をリフトしても修復されません。
後悔している人がいます。それは…(続きは↓登録後)
(8) 傷のかゆみ
術後半年程度は傷跡のかゆみを感じます。かゆくて眠れないほど、あるいは掻きむしりたいほどではないようです。私の問診ベースでは6割以上該当します。
(9) 眉下のやつれ
眉下の皮膚は厚みがあります。それが切除されることでボリュームがスッキリするのですが、見方を変えるとやつれるのです。老化が進んだように感じるかもしれません。

眉下切開後のアフターケア
術後のケアの仕方。「術直後から翌日」、「翌日から抜糸まで」、「抜糸後」のみっつに分けます。

眉下切開のモデル患者さん
🔒 公開ページでは伝えきれない、デザインの迷い、傷あとへの考え方、術後経過の読み方を、限定記事で詳しく解説しています。LINE登録後、限定記事のURLとパスワードをお届けします。先ほどの『シームのきらめき現象』についてや公開記事では書ききれない金沢の葛藤、悩み、ディープな話を共有しています。

ほくろの移動量でわかるケース
「目が疲れるんです。でも、顔の印象が変わらないほうがいいです」と男性。
最大10ミリ幅で眉毛下の皮膚切除を行いました。目元の印象の変化は大きくないのがわかります。事情を知らない第三者(職場の同僚)が見たら気づかないかもしれませんね。
でもね、右目尻のほくろの移動をみてください。

注目して欲しいところはここ。皮膚切除量によるリフト効果のうち半分は、眉の低下で打ち消されています。いままで頑張っていたおでこのチカラが抜けたともいえます。したがってご本人は「楽になった」という感想を持つんですね。見た目の変化は少ないにもかかわらず。
『眉位置の変動を予測できるか?』これは大きなテーマです。結論から言うと予測できません。「下がる」「下がらない」の二者だけではありません。その中間に無数のグラデーションがあります。「4割打ち消し効果を認める程度の下降があった」というシナリオもあるし、「6割」もあるでしょう。その程度に左右差があることもあるでしょう。
おおらかな気持ちで成り行きを見守る、そんなマインドが必須です。
元記事:『眉下切開で上まぶたのたるみをとった。眉が下がって効果半減』(内部リンク)
課題(追記)
※傷の赤みが続く
赤み(発赤)が数ヶ月続きます。赤みを帯びることは異常ではありません。正常な創傷治癒過程です。
よく驚かれるのは「抜糸直後よりむしろ1ヶ月後の方が赤みが強い」こと。抜糸の後に発赤のピークをゆっくり迎え、再びもとの肌色を取り戻していきます。そのプロセスに半年以上かかります。


傷の赤みに関しては、とにかく待つことです。待てば海路の日和あり。
※皮膚のトーンのミスマッチ シーム(継ぎ目)現象
最大幅9ミリで皮膚切除(脂肪切除なし、眼輪筋切除なし)。この写真、肌のトーンがきずあと(瘢痕)で途切れるのが分かりますか。

まぶたの赤み、シミなどが傷のラインで途切れています。皮膚は”複雑み”のあるノイズ用の模様で埋め尽くされます。それが切除されることで、トーンがジャンプするのです。たとえば、複雑な模様の生地を縫製すると、縫い目で模様が途切れますよね。シーム(継ぎ目)です。それと同じ。縫合技術の問題ではありません。
切除幅が大きいほどミスマッチは大きくなるでしょう。
以上の理由から、傷の仕上がりにセンシティブなタイプの人には、この術式はおすすめしません。
関連記事:『眉下切開のきずあと、色のギャップをあなたは受け入れられますか?』(内部リンク)
眉頭(まゆがしら)側の傷を目立たなくする、新しいデザイン「フック型」
先ほど述べたように、通常の眉下切開は目頭側の皮膚を扱いにくいという弱点があります。眉頭側直下の傷は目立ちやすいからです。
傷が目立つ原因は、内側の眉毛が貧毛であること(細く、密度も粗)、毛流でブロックされない(毛の立ち上がりが上向きだから)ことのふたつ。この点で、外科医が頭を抱えています。
眉頭直下に傷を作らないようにするためには、皮膚切除の幅を控えめにする必要があります。しかし、しかし、上まぶたのたるみは、外側だけで起こるわけではありません。内側、眉間、鼻根部のたるみが関係している方もいます。人生経験を重ねられた方はそれでは不足でしょう。それを克服するデザインが、「眉の中に入るデザイン、フック型」です。
これは、単に傷を曲げるデザインではありません。眉頭の産毛、眉毛の密度、毛流、目頭側の皮膚の余り、鼻根部の横じわ、閉瞼時の皮膚の余白を見ながら、通常の眉下切開では届きにくい内側のリフトを補うためのデザインです。
多少のドッグイヤもまぎれるメリットもあります。このデザインでの皮膚切開はメスの特殊な扱い方が必要。細かな設計と技術的配慮を要します。この点は強調させてください🙇「内側もしっかりリフトアップしたい」という方はご相談ください。
「おでこにチカラが入って疲れる」という女性。眉下から、最大幅9ミリで皮膚切除を行いました。あえて術後3ヶ月の写真を載せています。傷がまだ赤いのが分かります。

2025年の美容外科学会で、5年間温めてきたこのデザインを学会で報告してきました。従来の眉下切開(眉毛下皮膚切除術)の問題点は3つ。目頭側のたるみが取れないこと。眉間のシワや鼻根部の横皺が取れないこと。鼻根部や眉間のシワが悪化すること。これらを克服するデザイン。発表後に7人もの医師に囲まれて質問攻めに合いました。とどのつまり、みんな同じ悩みを持っていたのですね。
金沢雄一郎:フック型眉下切開(眉毛下皮膚切除術)による上眼瞼内側のリフト補完–従来法の課題を克服する新たなアプローチ– 第48回日本美容外科学会総会、東京、令和7年9月25日
大事なのは、「傷は残る」ということ。いかに目立たせないようなデザインができるかという工夫です。

皮膚切除の量(金沢のルール)
「わたし、何ミリ幅で切除しますか」
よく問われる質問。おそらくこのあたりは外科医によって果敢に攻める医師と、そうでない医師がいると思います。わたしは独自の金沢ルールを用います。
それは、「最大で切除できる量の2/3」というもの。
仮にあなたに対して、目が閉じられる範囲でMAXで切除できる幅が12mmであると判定を出したとします。その場合は、切除幅を8mmに設定します。つまり4ミリ分のバッファー(余分)を残します。20mmだったら13mmです。9mmだったら6mmに設定します。(ざっくりそんなイメージだと思ってください)
そして、もし切除可能幅がMAXで7〜8mmと診断したら、「手術適応なし」とします。5ミリの切除幅は、メリットを享受するにはあまりにその切除幅が小さく、その割に「傷が残って露出する」という代償が大きいからです。
それでも「切除可能幅ギリギリまで頑張ってみたい」という人もいるでしょう。そこにはリスクが待ち受けています。次で説明します。
もし皮膚を取りすぎたらどうなる?
このあたりもだいぶ見えてきました。他院でとられすぎた患者さんを見ます。閉じにくくなって困ったというケースは実際は稀です。一方、以下のようなことが観察されます。
- キズの幅が出た
- 斜めの突っ張り線がでた
- 眉間の違和感(ツッパリ感)が強い(いわゆる機能障害)
- 眉下のやつれ感が強く現れ、皮膚が薄くなって青スジ(静脈)が透けて見える
私はかねてより、「まぶたは眼球を保護することが第一の仕事。閉じられることが必須」と主張してきました。やっぱりね。まぶたはまずちゃんと目を閉じようとするんです。そのため、まぶたは皮膚を引っ張り下げます。キズに緊張がうまれ、引っ張られた皮膚は伸びて薄くなります。結果やつれるので妙に老け込むんです。目を閉じようと眼輪筋や皺鼻筋が緊張するのも当然ですよね。
だからこそ、皮膚にゆとりを残すことが大事なんですね。
試しに目を閉じてそのまま眉を挙上してみてください。どうですか?このとき多くの人は皮膚は余ってないでしょう。皮膚に張りがあるはずです。こことても大事な視点なんです。思っているほど余っていないものなんですね。
人とコミュニケーションを取るとき、眉上げたり下げたりするでしょう。アイブローフラッシュ(眉をあげる)って「あなたを受け入れますよ」ていうサイン(表情)なんです。その時もパチパチまばたきするんですよ。そう、必要な皮膚なんですね。
今後の注目すべき課題
手術を受ける時点では、瘢痕(きずあと)は「眉毛の下のラインに沿うカタチ」。つまり眉の存在感に紛れるわけ。しかし10年加齢が進むと眉毛の質が変化します。密度が下がり薄くなっていくかも(逆もあるかも)しれません。そうなると目立ってくる可能性もあります。
そして傷跡も、半年から一年は綺麗でも3年から5年経過すると「白抜け」して目立ってくることもあります。やはり、「傷は残る」という前提でデザインする心構えが必要です。ここ、外科医としても誠実でありたいと思っています。口が避けても「年月でキズは目立たなくなる」なんて言ってはなりません。
それでも私がこの手術に価値を感じるのは、「まぶたが重い」「鏡を見るのが嫌」という人の人生が、一本の線で劇的に明るくなる瞬間を何度も見てきたからです。傷跡というリスクを背負ってでも手に入れたい未来があるなら、私は全力でその線を追究します。
追記
眉のTattoo(刺青)の古いものが入っているケースも少なくありません。刺青のエッジ(境界部分)はにじみ(Blur)があり、微妙にグラデーションがあります。ここを切開すると、このにじみ部分を失います。そして縫合部分に、直線的なツギハギ感が生まれやすくなります。
余談
ここで少し、私の個人的な話を。私はかつて植毛業界に身を置いていました(大学院時代のアルバイト)。そこは、0.1ミリの毛の向きや密度が結果を左右する、極限の職人の世界。そこで培った『毛髪一本への執着』が、今の私の眉下切開を支えています。 眉頭の産毛をどう残し、どう傷を隠すか。多くの医師が諦めてしまうその細部に私がこだわるのは、『毛一本が作る表情』という教訓があるからです。単に皮膚を切るのではない。その人の文脈に沿った、最も自然な変化をデザインすること。それが、私が心血を注いで詳しいページを書き、学会で『フック型』を提唱した理由です。
※「一過性の脱毛現象」など、毛髪特有の創傷治癒過程の存在を知っていることも助けになっています。

まとめ
眉下切開は、目を大きくするための手術ではありません。
まぶたの前葉にある余った皮膚を整理し、顔の印象を大きく変えずに、重さやかぶさりを軽くするための手術です。
ただし、傷あと、眉位置の変化、ひきつれ、やつれ感、目頭側の限界は必ず考える必要があります。
大切なのは、どれだけ皮膚を取るかではありません。
どれだけ残すかです。
目を閉じるための余白。
自然なまばたきのための余白。
将来の加齢変化に耐えるための余白。
その余白を読みながらデザインすることが、私の眉下切開の考え方です。
鏡を見て考えてみてくださいね。もっと詳しく知りたい方は下のLINE登録をして記事をご覧ください。ビフォーアフターの他、傷跡のテカリ(シームハイライト)問題、某SNSからの質問(毛包斜切開をしますか?)に対する回答を、公開ページでは伝えきれない判断の背景と共に共有します。

参考文献
- Akihiro Ichinose: Extended infrabrow excision blepharoplasty for dermatochalasis in asians. Arch Facial Plast Surg. 2011 Sep-Oct;13(5):327-31.
- 上眼瞼形成術:眉毛下アプローチ 林寛子 PEPARS No.87:59-66,2014
- 上眼瞼形成術:拡大眉毛下皮膚切除術 一瀬晃洋 PEPARS No.87:67-72, 2014
- Parkes ML, Kamer FM, Merrin ML. Infrabrow lift. Laryngoscope. 1976 Dec;86(12):1869-72.
Parkesらの論文が眉下切開のオリジナルとされている。

眉下切開で大切にしている7つのポイント
「医師によって眉下切開の方法は大きく変わらないのでは?」
そう思われる方も多いかもしれません。たしかに一見するとおおきな差はなさそう。しかし実際には、土台こそに違いがあります。
こちらでは私(金沢)が眉下切開で特に大切にしているポイントを紹介します。キーワードは安全性と自然さです。

詳しくは関連記事から⇓
関連記事『眉下切開で大切にしている7つのポイント』(内部リンク)
参考
眉下切開の合併症
| 短期的なもの | 腫れ、出血、感染、傷の離開、突っ張りライン、かゆみ |
| 長期的なもの | 眼脂(めやに)・涙の増加、眩しさ、まぶたの腫れぼったさと赤み、縫合糸の露出、目の違和感・ツッパリ感、皮膚の痺れ・痛み、目立つ瘢痕、低矯正・過矯正、一過性の脱毛 |
| 仕上がりに関するもの | 左右差、眉毛下垂・顔貌の変化、まぶたの見かけに対する違和感、再発、ドッグイア、皮膚のひずみ、眉の毛の流れの変化 |
手術の費用
医療機関によって異なります。私の出向先を例に挙げると、33万円〜50万円です。
(2026年現在)

あとがき
ところで、皆さんは「手術台の上で何が起きているか」を正確にイメージできますか?
ふつう、患者さんにとって手術室は「ブラックボックス」ですよね。まな板の上の鯉状態で、目隠しをされ、何をされているかわからないまま時間が過ぎるのを待つ……。 あの「見えない恐怖」が、手術をためらわせる最大の要因だったりするわけ。
でも、この写真を見てください。これ、手術の直前に行う「マーキング」の時の、まさに患者さんから見た景色なんです。
私があなたの眉の上に、緻密な「デザイン」を書き込んでいく瞬間。あなたはこんなふうに横になって、頭側から覗き込む私と対面することになります。ペン先でツンツンとドットを打っていきます。少しくすぐったく感じるかも。
「あ、こういうふうに見えるんだ」 「先生はこんなふうに準備をしてくれるんだ」
そうやって、あらかじめ「現場の景色」を自分のアタマの中にインストールしておくだけで、恐怖心はグッと抑えられるはず。知識やイメージは、不安に対する最高のアシストになるんですよね。
本番では、ただ優しく目を閉じて、リラックスしていれば大丈夫。その先にある「明るい視界」を、一緒に作っていきましょうか。
現場からは以上です!

尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。

