まぶた治療に特化した形成外科専門医が作った眼瞼下垂情報

挙筋前転法と挙筋短縮の違いについて

「先生の術式は挙筋前転ですか?それとも挙筋短縮ですか?」とよく聞かれます。

わたしは「挙筋前転をします」と回答します。

筋肉の末端を前転(前進)するか後転(後退)させる発想で、斜視の手術と同じ。

私の理解では「挙筋短縮」は過去の術式です。テキストによると挙筋を切り取って短くする術式。2ミリの下垂の人は10〜13ミリ筋肉を短縮切除します。想像できませんし、そのような手術を生で見たこともありません。というか見たくもありません。アキレス腱断裂に対してヒラメ筋腓腹筋を切除してるようなイメージですから…

挙筋短縮量
挙筋切除の量の目安 Beard’s ptososより
挙筋短縮術
眼瞼挙筋を切り取っている

Beard’s ptosisによると、上図のような挙筋短縮術は眼瞼挙筋発育不全に適用しています。健康な挙筋にコレは危険な術式です。

ですが歴史的には、挙筋短縮といえば挙筋だけでなく瞼板まで合併切除していた時代もあるようです。ゾッとしますが当時はそれがベストの手段だったのでしょう。

一方挙筋前転は前方に引っ張り出して筋肉(腱膜)を固定します。腱膜性眼瞼下垂の場合、眼瞼挙筋が後退しています。その後退した分を引っ張り出すので「前転」という言葉がしっくりきます。

現在の挙筋短縮とは

「挙筋短縮術」という表現は今も使われています。ですが現実には区別されずに挙筋前転法と同じ意味で使われている事が多いようです。(なんとなく異なるイメージを抱く医療関係者も存在します。)

つまり冒頭の質問、「挙筋前転をしますか?それとも挙筋短縮をしますか?」という質問に対して「挙筋前転か、短縮のどちらを用いているかを医師に訊ねるのはあまり意味がない」と説明することもあります。

結論、多くの場合は区別されずに使われていると理解してください。

追伸

個人的には挙筋前転というよりは「腱膜固定(挙筋腱膜をベースポジションに戻す)」を意識しています。アキレス腱断裂の治療で「後退した分を延長する術式」とか「短縮した分を牽引する術式」とか言いませんよね。「腱縫合」です。元の位置に戻して固定するだけです。それと同じ。

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