交感神経が興奮状態(緊張する、ストレス下にある、興奮する)にあると、まぶたのミュラー筋が肥大し、ミュラー筋の感度が高まって眼瞼けいれんになりやすくなる。なぜならば交感神経のα1aレセプターを介してカハール介在細胞が増殖シグナルを出すから。それだけでなく、同じα1aレセプターを持つ前立腺が肥大する。
2017年9月の第40回日本美容外科学会(札幌)での松尾清先生の講演
「美容外科で遭遇する眼瞼痙攣の診断と最新の治療」
のメモです。
松尾理論のアップデート。
難解な松尾理論も世間に徐々に浸透してきて、学会での講演が増えてきています。大変嬉しい限りですが、まだまだ難しいし、内容も進歩しているのでついていくのが大変・・・・・
あなたも一緒に考えてくださいませ。
- ミュラー筋を弱く伸展すると前頭筋が収縮して眉が挙がる
- ミュラー筋を強く伸展すると眼輪筋が収縮して眉が下がる
- 三叉神経中脳路核と青斑核はギャップ結合(gap junction)で連結している
- 目を閉じても眉が下がらない人は頭痛もち
- ミュラー筋の中を走る三叉神経は上外側に集まって涙腺神経に入る
- 仮説:ミュラー筋が肥大化して感度が高まるとパーキンソン病になる
- 仮説:ミュラー筋が薄くなって感度が低くなると認知症になる
だそうです。
治療法の変化として
上まぶたのADM(advanced desensitization of mechanoreceptors in muller’s muscle)でミュラー筋を部分切除すること
が行われているということ。
これは驚きです。かつてはミュラー筋は温存すべきとの立場でしたから。(モデレーターの伴緑也先生に突っ込まれてましたね 🙂 )
やはり従来のADMではミュラー筋が回復してしまい、痙攣の症状が再発するケースが出てきたのでしょう。
2017年現在行われているのはmodified ADMですね。
でもやりすぎに注意ですね。そもそもミュラー筋は脳を覚醒させる機能があるので、その感度が鈍ると脳の覚醒度が下がりすぎてやる気がなくなってしまいます。
上まぶたのADMで、改善しない人は下まぶたのADMをすべき
とのことです。
下まぶたのミュラー筋の感度が高くなっていると、やはり眼瞼けいれんを引き起こします。
下まぶたミュラー筋が原因になっている人は、自分の指で”あっかんべー”をすると痙攣がおさまります。
試してみてください。
眼瞼けいれんになりやすい職業
眼瞼けいれんで松尾先生を受診する患者さんの職業で最も多いモノ、それは、、、
Nurse
だそうです。
夜勤があったり、覚醒シグナルを常に産み続ける必要があるのでミュラー筋の感度が高まってしまうそうです。
あなたがNurseなら、ミュラー筋を休ませるよう心がけてくださいね。
下を向いて瞑想してまぶたを休ませましょう。