こんにちは、金沢です。
長野県松本市で催された第23回日本形成外科学会に参加してきました。
私はポスター発表を行いました。
偏光システムを自作し、その撮影方法にについて報告してきました。挙筋腱膜の構造の一部が明らかになりました。
ところで、信州大学形成外科学教室からの報告の中で、
「眼瞼挙筋のretractorは挙筋腱膜とミュラー筋、瞼結膜固有層がある」
との表現がありました。
今までは眼瞼挙筋は腱膜とミュラー筋を介して瞼を持ち上げるとされてきました。ここに結膜(固有層)が加わりました。
ミュラー筋を外す治療をしていると腱膜とミュラー筋が外れているにもかかわらず瞼が挙がるヒトがいることは私も経験しています。確かに結膜自体も瞼を持ち上げる構造になっているのでしょう。
その観点からは結膜をタッキングする眼瞼下垂症の術式も合理的と言えます(私は行っていませんが)。
そして、結膜固有層にも伸展負荷を感じとるレセプターとして、機械受容器(カハール細胞)があること、さらにフェニレフリン点眼薬がターゲットとするα1受容体があることが示されました。
以上のことを踏まえた私の考察です。
①腱膜性眼瞼下垂症が顕在化するには、
「結膜固有層とミュラー筋および腱膜のすべてが機能障害をおこし、眼瞼挙筋の力を伝えられなくなることが必要条件となる。」
と言えます。
②ミュラー筋を外しただけでは伸展受容器の感度をオフにはできない。
眼瞼けいれんの治療では念頭に入れる必要があります。