「頭痛・肩こりの原因がまぶたにあった…」
『まぶたで健康革命』松尾清著 1300円+税 小学館
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「下がりまぶたを治療したら患者さんの頭痛・肩こりが治った…」
ここが著者、形成外科医の松尾清先生の研究の出発点。
まぶたには自覚できない感覚、固有知覚がある。この知覚が命の中枢である脳幹を刺激していた。まぶたを挙げ続けたり、脳が覚醒するために必要なまぶたの固有知覚。
下がりまぶた(眼瞼下垂)になると脳幹が刺激され続けてしまい、身体の不調の原因になることがわかったのです。
「どのような人が眼瞼下垂になりやすいか?」
一重まぶたではありませんか?
おでこにシワがよってませんか?
顎を突き出していませんか?
かなりのヒトが該当すると驚くでしょう。日本人の8割はなんだかんだで該当するそうです。
でも心配に及ばず。下がりまぶたをリラックスさせる方法がわかります。「まぶたの力の抜き方」。ここをマスターすると日常生活の疲労がかなり改善されそうです。
どうして下がりまぶたが頭痛・肩こりの原因になるのか?
なるほど、まぶたの固有知覚が顔や頭、首の筋肉を勝手に収縮させていたのです。
ズバリ、「神経生理学」です。難解です😅
「肩こりや頭痛とまぶたの関連」を証明するために、基礎医学から研究したのです。疫学と違い、信頼性の高い医学です。
それだけではありません。交感神経の中枢を刺激して不安障害やうつ病の原因になっていたなんて信じられますか?

青斑核の挙動を理解する必要があります🤔ミュラー筋や噛み締め動作(歯根膜を刺激する)が関わります。
最後には下がりまぶた(眼瞼下垂症)を根本的に治す治療法について説明されています。
ここはいわゆる形成外科医の仕事の紹介。手術特有の「併発症(合併症いわゆるリスク)」についてもきちんと説明されています。
まぶたの治療を検討されているヒトにはオススメの本。非常にわかりやすく(?)、60分で読めます。
著者は本当はもっともっとアカデミックに多くのことを述べたかったのではないか。しかし、それでは一般の人の理解が追いつかないため、編集者にダメ出しをくらいながらまとめたと想像します。
ちなみに、
その著者、松尾清先生は信州大学形成外科学教室の名誉教授。眼瞼下垂症を世に広めた第一人者です。
まぶたの研究では世界のトップを走っており、追従者がいません。