眼瞼下垂症術後のきずあとが目立つ4つの構造的要因

眼瞼下垂の切開手術後のきずあとが目立つ原因は?

切開手術をしたら、あなたがヒトであれば例外なくきずあと(学術的には瘢痕という)が残ります。腹部の手術をしたらお腹に線状の傷が出来ますよね。今回は傷跡が目立つ構造的要因について考察してみました。

傷口が癒合する時や組織欠損が治癒する過程で瘢痕組織が出来ます。瘢痕組織は皮膚附属器(毛、汗腺、脂腺など)がなく、均質な構造です。そして瘢痕は消失することもありません。

実生活上で問題になるのは傷が目立つことです。

目立つかどうかを決定する構造的要因

瘢痕そのものの幅や隆起

瘢痕は皮膚附属器を持たず、表面の皮膚模様(皮膚紋理)が無いため、ノッペりした見た目です。瘢痕に幅が出たり、隆起(肥厚性瘢痕)すると”きずあとそのもの”として認識されます。

瘢痕が育ちやすい体質もあります。人種としては、白人よりも有色人種の方が肥厚性瘢痕やケロイドを発症しやすい体質を持ちます。同じ人種でも家族性に発症することもあります(遺伝)。

身体部位では、まぶたは肥厚性瘢痕になりにくい場所です(前胸部や肩、恥骨部などは好発部位)。が、まぶたでも目尻側の切開瘢痕は若干肥厚性瘢痕になりやすい傾向があります。また、若年ほど肥厚性瘢痕になる傾向があります。

皮膚の色の濃さ

皮膚の色素沈着が濃いほど目立ちます。瘢痕は色素を欠くので色黒の人ほどコントラストが強くなります。

窪みなどの凹凸

切開瘢痕がくぼんで癒着すると立体的に谷間を作るので目立ちます。

構造上の隠れやすさ

切開瘢痕部位で二重の線(重瞼線)になれば、まぶたを開けた時にきずあとが奥深く引き込まれるので隠れます。目尻を越えてこめかみ方向に切開線が伸びていれば(たるみ皮膚切除が多い場合など)、この部位は折りたたまれないので露出します。しかし、肌の年輪が刻まれると目尻じわ(カラスの足跡)に紛れます。

実際のモデルさんで見てみます。

通常の眼瞼下垂症手術を行いました。まぶたに色素沈着があります。よく擦る習慣がある場合(アトピー性皮膚炎や花粉症など)に色素沈着が起こります。

眼瞼下垂手術後before-afterの写真
眼瞼下垂術前術後
眼瞼下垂症手術後の写真。切開瘢痕の色の抜け
切開瘢痕の色の抜け

実はご本人も気づいていない現象でしたが、我々形成外科医の目からは気になるきずあとです。ここまでギャップが強く出た方は初めてでした…

瘢痕の幅が出て、色のギャップが強いためにこのように目立ちやすくなりました。これを目立たなくするためには、きずあとの周りの皮膚の色素を薄くすることを考えた方が良さそうです。

若年で色素沈着のある場合は要注意です。

眼瞼下垂症の啓発目的での写真使用を承諾していただきました。ご協力ありがとうございます。

なお、傷が想定以上に綺麗に治る人もいます。以下の記事をご覧ください。

関連記事:「片方だけ手術しても見かけがおかしくならないか?」

傷はケロイドになるのか??

きずあとがケロイドにならないか?についての記事を作りました。

関連記事:「ケロイドと眼瞼下垂症手術」

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