まつ毛の根元のピンク色のところが目立つ人がいます。どちらかといえば嫌がられる現象。まぶたが貧相に見えるからでしょうか?
加齢現象のひとつであることは間違いありません。
そして上まぶたの手術後に起こる様々な変化。微妙な変化が印象に大きく影響を与えることがあります。
今まで注目されていなかった変化のひとつ、waterline show。この変化に着目し、考察をしました。
「上眼瞼形成術後に生じた上眼瞼waterline show(ウォーターラインショー)」
waterlineとは?
上まぶたの手術を行うとまつげの角度が変化することがあります。
上まぶたの前葉成分が上に引っ張られる量が大きくなると、まつげが上前方へ回転し、外反(上を向く)します。
この「外反」が強くなると、それまで睫毛で隠れていた、睫毛の更に眼球側の白い粘膜の部分が見かけ上、正面視にて姿を現します。(もしくは、もともと見えている場合は見え方が大きくなります。)

この皮膚から結膜へ移り変わる部分は、makeupの観点からwaterline(もしくはインライン、インサイドライン)と呼ばれます。
常に涙液で潤っているのでwaterline(ウォーターライン)と呼ばれるのでしょう。
正面視で「waterlineが見えること」を「waterline show」と呼ぶことにしました。
waterline showを持つヒトを検証してみると、
- 術前からwaterline showがあるヒトは術後にwaterline showが大きくなる傾向が見られた。
- アイラインにダークカラーのアートメイクをいれているヒトはwaterline showがより目立つ傾向が見られた。
- 高年齢ほどwaterline showが顕著である傾向があった。
加齢に伴う変化として、
- まつげの貧毛化(睫毛が細く、短く、少なくなる)
- 瞼板前ボリュームの減少
- 眼瞼下垂症の進行による眼瞼前葉と後葉の挙上量に差が生じてまつげが上を向くこと
によって、waterline showが目立ってくると考えられます。
眼科的見地から
waterline showのある人は強い目の縁取りをメークで作りたい場合、waterlineにペンを入れる必要があります。
しかし同部位へのメークは、球結膜の炎症を起こすリスクや、マイボーム腺開口部を閉塞することによるトラブルが眼科医により指摘されています…

結論
アイラインのアートメークがある人は、上まぶたの手術治療後にwaterline showがおおきくなります。この変化を受け入れられるかどうかはその人次第ですが、あらかじめ知っておくと良いでしょう。
モデルさん1
ウォーターラインの見え方が大きくなったのが分かりますね。

ウォーターラインショーが大きくならなかったモデルさん
ウォーターラインショーが大きくならないように、工夫・努力しております。なるべくまつ毛が上に引っ張られないように柔らかい二重(ふたえ)を作るのです。

ただし眼瞼下垂手術でいつも狙ったとおりになるとは限りません。この点は注意してください。
追伸
本検証は日本美容外科学会と埼玉医学会で発表しました。