眼瞼下垂症ガイド、最終日の第5弾

【眼瞼下垂症手術を執刀する担当医の選び方】

一生で一度か二度の大切な機会。だからこそ、信頼できる担当医に巡り合いたいですよね。

担当医選びこそが、最も重大な仕事。一度メスを入れれば、後戻りはできません。人生の伴侶なら途中で変えることもできますが、執刀医が残した「足跡」はあなたに一生ついてまわります。医療関係者でさえ、自分の眼瞼下垂手術を受けるとき、「誰に頼むか?」というのが最大のテーマになります。

失敗しないために抑えるべきポイントがあります。それは、

  • 医師の質
  • 相性

このふたつを押さえましょう。

まずは医師の質について

受診前に確認できること。それは経歴です。受診する診療科は眼科、形成外科、美容外科のいずれかです。

過去の経歴は?

医学部を卒業した大学を知ることもヒントになります。ここに注意点がひとつ。卒業した大学”院”の大学名を「最終学歴」として記載し、医学部の卒業大学を記載しないケースがあります。

例として「東京大学大学院卒業」のみ記載しているケースです。これは「東京大学医学部を卒業したこと」を意味しません。他の大学を卒業し、大学院だけ東京大学に進む場合があります。実は大学院は入学が簡単。大学入試のような熾烈な競争ではないのです。

だから、「超一流〇〇大学大学院卒業」は、その人の質を担保しません。これはある種の学歴ロンダリング。「ウソ」ではありませんが、明らかに相手をミスリードする罠です。

自分の(医学部)卒業大学を記載することに後ろめたさを感じない人は、きちんと自分の医学部の卒業大学を記載するでしょう。ここも誠実な医師であるかどうかの判断材料になります。

なお、所属する医局も参考になりません。試験はありませんので。研修先の病院や大学も参考になりません。

現在の資格は?

「学会専門医」の有無です。「現専門医」だけでなく「元専門医」でも構いません。なぜならば専門医の更新に試験がないからです(必要なのは作業とお金)。なぜ専門医がよいかというと、専門医を取得するプロセスで漏れなく網羅的に浅く広く専門領域を学ぶからです。

たとえば「眼瞼下垂」の診断においても、重症筋無力症などのまれな内科疾患を拾い上げ、専門家へ紹介できます。「自分の担当する分野でない」と判断できることも、専門医の強みです。

なお、「専門医の資格をもつから眼瞼下垂手術の知識技術をもつ」とは限りません。あくまで判断材料のひとつです。

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次は実際に受診してみて判断します。

「人として受け入れられるかどうか」の判断です。

話をよく聞いてくれるか?優しいか(傲慢な雰囲気はないか)?よく確認してください。治療には相互の十分なコミュニケーションが必要です。不安な点を聞くことのできる環境があるかどうか、が大事。

納得のいかないまま手術を受けると、8割うまくいっても残りの2割に目がいき、不満を残します。相手を信頼していれば、8割の成功を受け入れ、満足できるでしょう。

「この先生はちょっと不快だな…」という感情(気持ち)を抱いたら諦めましょう。相手も人間です。相性って言葉で説明できないんです。

そして、担当医自身が「眼瞼下垂」でないかどうか?自分のケアができていてこそ相手をケアできます。(すべてではありませんが)。「自分自身を治療しない選択」をしておきながら、相手にそれを提供するって??ちょっと疑問に思ってしまうかもしれません。(もちろん事情もあるでしょうが)。

私自身、近視手術を受けたことがあります。担当医はメガネをかけていました…😰あなたがその立場だったらどう思いますか?ちょっと不安になりますよね。

「何人の手術を今までに執刀したか?」という質問を投げかけるのはどうか?という意見もあります。しかしながら平然と「数を盛る」医師もいますし、それを見抜くのは困難です。

しかし、最後の手段としての「質問」があります。これは相手を選ぶ質問なので上級編

「このような事を聞くのは大変失礼な事と承知の上でお訊ねしますが、ご自身の執刀した患者さんの修正手術もやっておられますか?」

この質問から得られる情報がふたつあります。人格、技術です。

目が泳ぐかどうか、不機嫌な顔をするか、見てください。判断はあなたができるはず。万が一「私は失敗しない」と言われたら、やんわり穏やかに退出しましょう。

技術面で、「修正手術をしっかりやれるかどうか」は大きな要素です。修正手術をしない医師は技術面で不安があります。「今までに何件の手術をこなしているか」よりも大きな要素なのです。

以上が、担当医の選び方でした。人生の伴侶を選ぶくらい慎重に、ゆっくりと選んでくださいね。

追記)

最近はSNSで症例写真を提示する医師が増えました。美に対する価値観を垣間見ることもできます。ここで注意すべきことは、ふたつ。写真の質と年齢です。写真の前後で撮影の条件(距離、ライト、メークの有無、コンタクトレンズの有無)が異なっているようであれば、その程度の意識の持ち主です。

また年齢については、ご自分と同世代のものを参照してください。

そして、私が見るのは「中年以上のモニターがいるかどうか」です。若いモニターは、経験の浅い医師でも映える結果になるケースがからなず一定割合で生まれます。皮膚の弾力があってまとまりやすいのです。一方、皮膚が伸びて骨格から垂れ下がり始めた中年以上は”誤魔化し”が効きません。だから外科医のスキルがここに現れるんですね😀

参考note記事:『ビフォーアフター写真の見方』

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お疲れ様でした!

少し踏み込んだ内容であり、内容がやや難解な部分もあったかもしれません。

治療に対しての不安があるようでしたら「患者さんの声」をご覧ください。

さらに詳細を学んで見たい方は「まぶたのお医者さんホームページ」をご覧ください。

ウェブサイトのパスワード保護ページは、

[codofo]

です。プライバシーの観点から他の人と共有しないでくださいね。

注)血腫のページは昨日ご案内したパスワードです。

 

限定公開の眼瞼下垂手術体験記はこちら

『眼瞼下垂手術体験記 補足説明付き』

パスワードは[ope15story]
講座を終えた後に、あらためてこの体験記を読むとさらに理解が深まります。

あとがき

「人生のセカンドステージ」って考えていますか?

「定年退職した。」「子供が巣立った。」などで自分のための時間ができる新たなステージです。

外来診療をしていると、日本の女性は本当に元気だなあとつくづく感じます。まだまだ仕事を頑張る人。次々に旅行のプランを立てる人。カルチャークラブでさまざまな勉強や文化活動をする人。ボランティア活動を精力的にこなす人。

とある研究によると、高齢女性へのアンケートで「人生で一番充実した楽しい時期はいつ?」との問いに、「今現在」と答える人が最も多かったのだとか😀

頼もしいですね。

 

以上、講師の金沢雄一郎でした。

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