
眼瞼下垂の手術を受けた人が、後から「一番つらかった」と口を揃えるもの。それは手術の痛みでも、費用の高さでもありません。術後の「ダウンタイム」、つまり見た目が痛々しくなるあの期間です。
多くの人は「手術が終わればすぐハッピー!」と考えがちですが、残念ながら現実はそう甘くありません。パンパンに腫れたまぶた、どす黒い内出血……。鏡を見るたびに「本当に元に戻るの?」と不安になり、人目を避けて引きこもる。これ、何の準備もなしに直面すると、メンタルをやられてしまう「地獄の期間」になりかねないんですよね。
【ダウンタイムとは?】
眼瞼下垂症の手術後、まぶたが”必ず”腫れます。内出血で青あざになるなることも。
この腫れや内出血が自然にひいていき、落ち着くまでの期間(日数)を「ダウンタイム」と呼びます。
痛々しい姿なので、人と会う職業の人は、お仕事も制限されます。(本人は痛くもかゆくもないのですが…)
言い換えると、「社会復帰するまでの期間」や、「人前に出ても気にならなくなるまでの期間」のことですね。
ちなみに、「ダウンタイム」という言葉は、もともとは 工場の機械が故障し、ラインが止まる時間 を指していました。そこから転じて、「回復までの時間」という意味で使われるようになったんですね。
医療機関のホームページや広告で「腫れません」「それほど問題にはなりません」という文言が目に入ることがあるかもしれません。その瞬間、そっとその記事を閉じてください。医療のリスクを過少に伝えることは、害悪でしかありません。むしろ過剰なくらいに注意を促すことが、医療者として誠実な態度であると考えます。
【腫れや内出血の経過は?】
2,3日が腫れのピークで、1週間後には半分ほど腫れがひきます。さらに、もう1週間かけて7,8割ほど腫れが落ち着きます。
その後は極めてゆっくり腫れがひいていき、3ヶ月から6ヶ月程度(長い人は1年)で完成形に落ち着きます。
術後1週間くらいで大まかな腫れはひきますが、最終的に自然な形に落ち着くまでは 時間が(月日が)かかる ということですね。
【ダウンタイムは何日間?】
「何日で社会復帰できますか?」と聞かれることが多いですが、これはあなたの生活環境によるところが大きいです。
• 営業などのお仕事:少なくとも1週間は影響あり
• 屋内でのデスクワーク:翌日からでもOK
• スーパーへの買い物:サングラスを着用すれば翌日からOK
• 運動:1週間は控えるべき
お仕事の内容や、普段の生活(お子様の送り迎えとかもね)に合わせて、スケジュールを考えておくと安心です。
【ダウンタイムを短くするために出来る3つのこと】
このダウンタイム、実はしっかり「マネジメント」することが可能なんです。 私が提唱する、ダウンタイムを最小限にするための「3つの処方箋」はこれ。
(1)「頭に血がのぼる様な行為を控える」
(2)「創部への余計な刺激を与えない」
(3)「患部を冷やす」
(1) 頭に血がのぼらないように
• はげしい運動をしない
• お酒を飲まない
• 入浴して暖まらない
一週間程度はおとなしく安静に過ごしましょう。上半身を起こした状態のほうが頭に血が昇りません。
日中はゴロゴロ横になるよりも、起きて活動したほうがよいでしょう。テレビを見たり、読書をして過ごします。
ムリをしない範囲で、スーパーに買い物に出かけたり、職場でデスクワークするのはOKですが、この機会に「ちょっと家事をサボる」のもいいかもしれませんね(笑)
(2) まぶたを擦る癖があったら要注意
縫合して連結させた組織同士の癒着が、こすることで外れてしまうこともあります。縫合したキズが開く危険性も。
きずは愛護的にやさしく扱いましょう。洗顔で軽く触る程度は問題ありません。
(3) 濡らしたガーゼやハンカチで直にまぶたをクーリングするとよりよい
冷却は腫れの程度をおさえます。ヒリヒリ感やかゆみも軽くなります。はじめの3日間は有効。その後は各自ご自由に。手術後1週間経てば、運動や入浴、飲酒も解禁です!
プラスα
ダウンタイムを甘くみた結果
実は、真逆の行動をしてしまった人がいます。私の病院関係者でした。手術して4日目にマラソン10キロに出場。
1週間後、抜糸の日…傷の癒合が弱かったのをはっきり覚えています。やはりダメですね。危険です。
手術4日目というのは、ちょうど腫れが強い時期。ですが本人は痛くも痒くもないし、むしろカラダが軽く感じられる時でもあります。そのせいでつい身体を動かしたくなってしまいますが、グッとこらえて自重しましょう。
ダウンタイムの対処法について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページへ👉
私自身のダウンタイム体験談
ちなみに私が眼瞼下垂の手術を受けた時は年末でした。眼鏡をかけてデパートへお出かけしたり。水道水で湿らせたガーゼを目元に置くと気持ちよかったです。
およそ1週間のブランクで診療を再開。縫合の糸がまぶたに付いている状態でした。糸は目立たないものの、やはり腫れはわかります。同僚には即バレでしたね(笑)。だてメガネをかけていたのですが…
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いかがでしたか?できればダウンタイムは短くしたいですよね。
- 「ダウンタイム」という言葉、ご存知でしたか?
- ダウンタイムの長さは人それぞれ。自分ならどのくらいの期間になりそうですか?
- ダウンタイムを短縮するためにできること、避けるべきことがあることご存知でしたか?あなたは守れそうですか?
次回、4日目の眼瞼下垂LINE講座は
「知っておくべき、手術の合併症・リスクは?」です。
どんなにベストを尽くしても、医療行為に100%の安全はありません。一定の割合で避けることのできない、不都合な事象が起きます。
それぞれの対処法をあらかじめ把握しておくと安心です。この講座受講者限定で手術後の経過写真を公開します。
次回、詳しく見ていきましょう😊
あとがき
注射で気分が悪くなったことはありますか?中学校の朝礼で、校長先生の話が長すぎて”貧血”で倒れたことは?(よく”貧血”と表現されますが、正確には貧血ではありません。)
あの ふわっと意識が遠のく感じ、「血管迷走神経反射」 という現象です。脈拍と血圧が下がり、気が遠くなったり、吐き気を覚えることも。でも、少し横になって休めば回復します。
わたし自身は、一度だけ経験したことがあります。
医学生時代の実習のとき。学生同士、お互いに採血の練習をしました。同級生に腕を差し出したのですが、どうもうまくいかず、ピルピルっと肘の刺し口から血が逆流して漏れてきます。
自分の腕を眺めていた私は「平気平気!」と強がっていたものの、だんだん血の気がひいていくのを自覚しました。「だめだ、ここで気絶してはならない!」とギリギリ歯を食いしばりました。しかし努力の甲斐なく、同級生から「金沢。顔青いよ…」と指摘されたのでした。
迷走神経反射は気合いでは克服できないことが分かりました♪(´ε` )我慢せずに一刻も早く横になって休んだ方がいいのです。もしそんな場面に遭遇したら、 無理せず横になって休んでくださいね。
