眉下切開で大切にしている7つのポイント

「医師によって眉下切開の方法は大きく変わらないのでは?」「誰でも同じでは?であれば縫合が上手な医師を選べばいいよね」

そう思われる方も多いかもしれません。

たしかに一見すると、おおきな差はなさそう。しかし実際には、細部においては違いがあります。その積み重ねが結果に繋がります。

こちらでは私(金沢)が眉下切開で特に大切にしているポイントを紹介します。キーワードは安全性と自然さです。

わたしのこだわり

  1. 眉頭下部には切開線を入れない
  2. 皮下剥離は最小限に
  3. 皮下縫合は最小限に
  4. 眼輪筋は温存する
  5. 必要な人は眉間、鼻根部のリフトを補完するデザイン(美容外科学会で発表)
  6. 皮膚を切り取りすぎない
  7. 脂肪(ROOF)を取らない

(1)眉頭下部に切開線を入れない

眉頭の下は、眉毛で傷を隠すことができません。術後1年はきれいでも、数年後に白く抜けて目立つことがあります。そのため切開線は入れません。いかに綺麗に縫合できても、いつかは目立ってくる可能性があるという心構えでデザインすることが大事。(眉頭の傷跡が目立った場合、これを修復する手段がありません)

(2)皮下剥離は最小限に

皮膚へのダメージを減らすためです。剥離が広いと瘢痕が残りやすく、将来ボトックスなどの注射で痛みが強く出たり、薬液が広がりにくくなることがあります。

(3)皮下縫合は最小限に

皮下縫合は眉毛を傷つける可能性があり、毛のう炎のリスクも伴います。斜めに切開するときれいに縫合することが難しいこともあります。皮下縫合の少ないからといって、傷の目立ちやすくなるわけではないということを長年の経過から確認済み。

(4)眼輪筋は温存する

眼輪筋は傷つけないこと。日常診療の中で、眼輪筋の緊張や痙攣を数多く経験してきました。筋肉が損傷すると過敏になり、痙攣や眉の下がりにつながることがあります。(眉に傷がある人はそちら側の眉が下がる傾向あり)

(5)必要な人は眉間、鼻根部のリフトを補完するデザイン

50歳以上では、皮膚は縦だけでなく横方向にもあまってたるんできます。そのため、眉下切開後に眉間や鼻根部の皮膚の余りがさらに強調されることがあります。そこで、特殊なデザインを用いて眉間・鼻根部を引き上げる工夫をしています。(美容外科学会で発表)

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(6)皮膚を取りすぎない

まぶたには眼を守るために閉じる機能が必要。皮膚を取りすぎると、突っ張り感や眉間の痛みなど、機能障害が出ることがあります。これを避けるため、切除は控えめにしています。

(7)脂肪(ROOF)を取らない

加齢により皮下のボリュームは自然に減っていきます。紙風船の空気が抜けていくようなイメージです。そのため、脂肪を取ってしまうと老化を早めることになります。また、脂肪を取る操作は眼輪筋を傷つけるリスクもあります。

冒頭で”細部で違いがある”と表現しました。しかし、本質的に”たるみ”というのは内部容積の減少に加えて、外皮が伸びた状態。ですから、内部の容量を減らすことはすべきではありません。この視点にたつと、本質、根本の部分で違いがあるといっても過言ではないでしょう。

『スカルプターのための美術解剖学3頭頸部編』を参考に描き起こし。このフードと呼ばれる構造(医学というよりはクリエイター視点)がまぶたのリッチ感を演出します。このフードを構成するのが眉部分の骨と脂肪(ROOF)、筋肉(眼輪筋)と皮膚なんです。だから、たるみを取るためには中身(骨、脂肪、筋肉)は残すべきです。

しぼんだ紙風船の中の空気を抜く行為ですよね。脂肪や筋肉を切り取ってしまうのは。

まとめ

ここでご紹介した内容は、私(金沢)個人の考え方です。外科医はそれぞれの経験や価値観に基づいてデザインを行っております。ほかの方法を否定するものではありません。あらかじめご了承ください。

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