まぶたの手術を考えたとき、あなたはどのような不安を感じますか?
「不自然な目になったらどうしよう」 「目が閉じにくくなったら怖い」 「整形したことがバレてしまうのではないか」
多くの美容外科では「二重の幅」や「目の大きさ」といった“静止画としての形”ばかりが議論されます。しかし、私は形成外科医として20年以上まぶたに向き合い、ひとつの確信にいたりました。
まぶたにとって本当に大切なのは、「形」ではなく「FRMNG(フレーミング)」です。
まぶたは1日に約2万回も開閉を繰り返す臓器。 だからこそ、無理に形を作ろうとするのではなく、本来の自然な動きを取り戻すことが、結果として「最も美しく、疲れない目」につながるのです。
そのために私が確立したのが、5つの原則(FRMNG)からなる『金沢プリンシプル(Kanazawa Principle)』です。

FRMNGコンセプト
金沢プリンシプルは、以下の5つの要素で構成されています。
- Functional Restoration(機能回復)
- Rebalance(再調律)
- Minimal Intervention(最小介入・ミュラー筋温存)
- Natural(自然さ)
- Gliding(滑走性)
これらは独立しているのではなく、すべての要素がお互いに影響し合って機能するという関係にあります。
1. F – Functional Restoration(機能回復)
~開けやすく、見やすく、閉じやすく~ まぶたは飾りではなく、臓器です。最終的なゴールは、見た目の美しさだけではありません。「視界が広くなった」「肩こりが減った」——。 機能が回復することで得られる「生活の質の向上」こそが、私が提供したい価値です。一方、目を閉じる(目を保護する)機能を失うわけにはいきません。閉じられることが最優先事項になります。
2. R – Rebalance(再調律)
~左右差と不均衡を整える~ まぶたは繊細なバランスの上で成り立っています。眼輪筋の緊張にアンバランスが生まれると眉位置、頬の高さ、上下眼瞼の高さに狂いが生まれます。まぶたを整えることから顔全体のバランスが整え直す「調律」を行います。
3. M – Minimal Intervention(最小介入)
〜機能を守るための、勇気ある最小介入〜 私の手術の最大の特徴は、この「M」にあります。「M」には3つの意味が込められています。
Müller Muscle Preservation(ミュラー筋の完全温存)
まぶたの裏にある「ミュラー筋」は、自律神経と直結する非常にデリケートなセンサーです。ここを傷つけたり短縮したりすると、目の開きは良くなっても、「常にまぶしい」「目が乾く」「なぜか体調が悪い」といった不定愁訴の原因になります。また、挙筋の滑走性(Gliding)を犠牲にします。 ミュラー筋を「No-Touch Zone(聖域)」とし、一切手をつけずに温存します。 これが、術後のリスクを回避する最大の鍵です。
Minimal Skin Excision(皮膚切除は最小限)
皮膚を切りとりすぎると、目を開閉するための「あそび(余裕)」がなくなり、不自然なツッパリ感が出ます。あえて余裕を残すことで、自然な開閉眼を守ります。自然さを残します。
Minimal Levator Advancement(挙筋前転は最小限)
筋肉を強く固定しすぎると、「びっくり目」や「三角目」になりがちです。生理的な位置に戻すだけの最小限の操作に留めます。
4. N – Natural(自然さ)
~「整形」ではなく「本来の自分」へ~ 無理な操作をしていないため、結果的に仕上がりは自然になります。 「二重の線」を引くのではなく、「笑った時は深く折れて」「伏し目にしたときは平坦に」といった、表情の中での自然さを追求します。
5. G – Gliding(滑走性)
~抵抗のない、滑らかな動き~ まぶたが開くとき、組織と組織の間には「滑り(Gliding)」が必要です。癒着や無理な固定があると、この滑りが悪くなり、目を開けるたびにブレーキがかかった状態になります。 滑りをサポートする結合組織(fascia)を大事にします。金沢プリンシプルでは、組織が氷の上を滑るようにスムーズに動く構造を取り戻します。これにより、夕方になっても目が重くならない、軽やかな瞬きが実現します。
結び
まぶたの悩みは、人生の悩みです。
私はこれまで、数多くの難症例や修正手術に向き合ってきました。その中で痛感するのは、「過度な手術によって苦しんでいる方がいかに多いか」ということです。
「いじりすぎない」ことの価値。 「本来の構造」を尊重することの重要性。
もしあなたが、不自然な仕上がりを恐れているなら、あるいは現在の目の不調に悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談ください。 あなたのまぶたが持つ本来の機能を、金沢プリンシプルで一緒に取り戻しましょう。
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