眼瞼下垂を修復したいとの相談。一方、上まぶたのくぼみにヒアルロン酸を入れたばかり。。。
上まぶたの眉下がぽっこり膨らんでいます。ヒアルロン酸の効果が出てますね。それに加えて、眼瞼下垂もあるという状態。
さあ、どうしましょう。眼瞼下垂で機能に障害がある状態です。医学的視点では修復したいと感じます。
まぶたにヒアルロン酸がある状態で眼瞼下垂の相談
ヒアルロン酸には問題点が複数あります。
(1)通常「半年から一年で分解吸収される」と説明されますが、現実には五年〜十年たっても吸収されずに居残っているケースが少なくありません。いつまでそこに居座り続けるか、未知数であること。いつまで待てばよいのか・・・十年?二十年?
(2)では積極的に溶解させるか?実は、完全に溶かし切ることは困難であり、どうしても部分的に残留しがちです。目周りはデリケートなので攻められません(ヒアルロン酸が眼窩奥に流れ込んでいたケースも見ています)。しかも、溶解剤は生物由来製剤。アレルギーや感染症リスクもあります。
さらに、これに輪をかけて問題を複雑にしていることがあります。
(3)ヒアルロン酸自体が眼瞼下垂を悪化させたり、あるいは改善させていることもある。もうね。だから、ややこしいんですよ。つまりその観点でも、ヒアルロン酸のない状態で眼瞼下垂の評価をすることが望まれるのですが。。。
では、ヒアルロン酸を残した状態で手術してもいいのでしょうか?
現時点での私の解です。「見切り発車」です。「ヒアルロン酸をすべてなくすことはもう無理である」という前提に立ち、現状をスタート地点として治療を開始するということ。ヒアルロン酸がゼロになってから治療を開始するのが理想であることは間違いありませんが、それが叶わないため、見切り発車します。(※注射医師に可能な範囲で溶かしてもらうよう進言しています)
重大なレポート:ヒアルロン酸注入後二年経った33人の調査。全例で残留あり!
中顔面にヒアルロン酸注射を受けた33人。MRI検査により判明。最長は15年間持続していた。
Master, Mobin MB BS, FRANZCR,†; Azizeddin, Arshia MD‡; Master, Vahid MB BS, FRANZCR,§. Hyaluronic Acid Filler Longevity in the Mid-face: A Review of 33 Magnetic Resonance Imaging Studies. Plastic & Reconstructive Surgery-Global Open 12(7)):p e5934, July 2024.
見切り発車をするもうひとつの理由
全部消失させることが難しいから。というのは先ほど述べました。
もうひとつの理由は、まぶたを開けてみたらヒアルロン酸がどっさり。。。というシーンに何度も遭遇しているから(結果的に見切り発車した形になった)。
どうしても問診から漏れてしまうんですよね。過去にヒアルロン酸注射を受けているという申告をいただけないと、こちらにはわかりません。ところが、本人的には過去のことなので忘れてしまっているか、溶け切っていると信じているのです。
だからそれはそういうものだと、割り切るというスタンスです。その場その場で、遭遇したヒアルロン酸を適切にいなしつつ整えていきます。
さいわいにして、残留したヒアルロン酸が悪さをしたケースに遭遇しておりません(今のところ)。ただ、今後は不明ですけど。
まとめ
以上、
- ヒアルロン酸は残留する(溶け切らない)
- ヒアルロニダーゼで完全に溶かすのは難しい
- 現実はヒアルロン酸が残留した状態でまぶたの手術を行う
を提示しました。
さて、あなたは、
- ヒアルロン酸がいつまでも残留するってご存知でしたか?
- 眼瞼下垂を治したい場合は、残った状態でやらざるを得ないことが理解できましたか?
もし、あなたがまぶたにヒアルロン酸を打つことを検討しているなら、この点を十分にご認識くださいませ。
以上が『まぶたのヒアルロン酸は残留する』の記事でした。

