『患者力』
まぶた手術を検討中のあなたへ贈ります。
自分の家族が患者であると仮定して、家族にアドバイスする視点(立場)です。医療を提供する側の視点ではありません。医療を受ける側が最も得する(損しない)ための提案です。
自分の身を守るためには患者自体がスキル(患者力)をもつ必要があるということです。
1)主体性を持つこと
自分の問題解決のために『医療機関を利用する』くらいの主体性をもって臨みましょう。医師選びも自分の責任。仮にうまくいかなかった場合「失敗された」「自分は何も悪くない」と考える他責傾向の人は残念ながら不幸を繰り返します。不適切な医療機関を叩いて潰してもその穴を埋める如く新しい医療機関が湧いてきます。そこを受診する不幸を避けられません。
だから「他に自分ができることはなかったか?」「医療機関選びに失敗したかも」という姿勢があなたを強くします。次回からは不幸のカードを引く確率を減らすことができます。
2)医師の検索
担当医を見つけるスキルです。眼瞼下垂手術を多く手掛けている「医師」を。どこ(医療機関)ではなく、「誰」を訪ねるかが大事です。患者力のある人はここが強いです。
ネットのレビューは残念ながら参考にならないことが多いです。サクラ動員は常套手段。
ブログやSNSをフォローするのもひとつ。投稿された「コメント」が「本人の言葉として紡ぎ出されたものか否か」がわかるようになります。(例えばホームページの紹介文などはプロライターが書いている可能性があります)。しばらく追っていると、限られた文字数の文章から価値観や感性、感情が見えてきます。(Instagramは商品を知るきっかけには良い。一方twitter、ブログのほうが個人の哲学や生き様があらわになって参考になります。)
実際に足を運んで相性のよい相手を探してください。100点を求めないで。60点でも許せると感じられる信頼できる医師を探すこと。複数訪ねることをオススメします。感性が合うか合わないか、好きか嫌いかも大事な要素です。好きな医師の60点の手術は受け入れられても、嫌いな医師の90%の手術は失敗と感じてしまうものです。
しばらくするとスキルが身につき、こんなに多くの医師が隠れていたのかと気づくでしょう。
3)モニター写真の見方
モニター写真は自分の年齢や特徴に近い人を見ること。世間に露出するモニターはチャンピオンケース(多数のケースから選ばれたもの)であると理解してください。残念ながら私の例でもそうです。複数のモニター写真を比較してみることで医師の価値観が見えてきます。医師の「癖」をみつけるためにモニターを利用してください。
4)コミュニケーション
「こんなことで困っています」
自分自身の困りごとを医師に伝える必要があります。医師の読解力も差があります。あなたの訴えを正確に汲み取ってくれるかどうかは未知数。評判の良い医師であっても伝えるべきことを伝えなければすれ違いをおこします。自分の思いを極力正確に言語化して伝えること。今までの病歴、手術歴も。恥ずかしがって伝えるのを控えたら不幸になるのはあなた自身。「察してくれる」との期待はNGです。最適な医療を受けるためにはコミュニケーションが必要なのです。
なお最善を尽くしても8割伝われば上等。心の余裕も必要です。モデルさんの写真を持参するのも有効。同じ写真を見て価値観を共有できるか確認してみてください。同一のリンゴの写真を見ても「熟している」と見る人もいれば「まだ青い」と感じる人もいます。
5)エフォートの配分
日々のエフォート(尽力)を「治療」に全振りしないこと。お仕事、遊び、自己研鑽、人間関係それらを並行してこなしつつ長期のスパンで治療にあたること。一日のうち80%は治療のことを忘れてください。
患者力のある人はコレが強いです。
6)理解と限界
病気を理解する努力をしましょう。メモノートを持参してください。理解は治療を円滑にします。そしてその理解にも限界があることに気付きます。相手に任せる寛容さが生まれます。
医療の限界や不確実性を理解すること。医療には絶対はありません。プランAの結果を見届けてからプランBを検討するというのはまっとうな標準治療です。
理解することであなたは落ち着いて対処することができ、結果も伴ってきます。
7)「君子危うきに近寄らず」
懸命な人は危険なところを避けています。運や勘ではありません。根拠を持って避けているのです。患者力です。
最後に
繰り返しますが患者視点(家族視点)での「患者力」の話です。おまゆう案件ですね。申し訳ありません。本来なら非医療者である第三者的立場の人からこのようなコメントができる方が望ましいでしょう。
追記
医師へのリクエストとして以下の文言を付け足してもよいでしょう。
「目の開き具合、迷ったら控えめにしておいてください。低矯正でもいいです」
これは過大開瞼(開きすぎ)を防ぎます。過大開瞼のストレスは低矯正の100倍、しかも仮に修正手術に挑んだとしても難易度が高い。組織不足、瞼板の歪み、術後の拘縮による後戻りなど…
逆に言わないほうがいいかもしれない文言、
- 「絶対に左右差がないようにしてください」
- 「絶対に二重が浅くならないようにしてください」
- 「修正手術は嫌なので一発で決めてください」
これらは医師に過大な圧力を与え、結果的に過大開瞼(目の開きすぎ)リスクが増します。二重の谷間の食い込みを強くするリスクが増し、自然な仕上がりから遠ざかります。