手術の際、執刀医のそばに見学者がいるのを見かけることがあるかもしれませんね。それを見て、自分が何かの展示物のように感じることもあるかもしれません。しかし、その見学者の存在には、とても大切な意味があるんです。
見学者(オブザーバー)の存在意義
これらの見学者は、医療の教育の一環として、手術室にいることが多いんです。彼らは新しい技術を学び、医療の質を高めることを目的としています。私自身も、全国の外科医のもとを訪れて手術を見学してきました。その経験は、眼瞼下垂治療において、非常に重要な役割を果たしました。得た知識と技術を社会に還元することができると、私は自信を持っています。
そして今、見学者を受け入れています。まさしく次世代に継承する役割を果たしていると自負しています。しかし一方、患者さんには申し訳なく思う気持ちも持ち合わせています。患者さんのナイーブな内面をさらされているように感じるからです。
しかし、しかし。
見学者の存在は、手術室の透明性を高め、あなたの安全を確保するためにも大切なんだ。ということに気づきました。
医療には閉鎖性がありますが、それが問題を隠すことにつながることもあります。医療過誤や医療詐欺、不適切な行為など、多くの問題がこの閉鎖性から生じていることは御存知の通り。見学者の存在は、この閉鎖性を打ち破り、透明性を高めるのに役立つのです。彼らは患者のために、医療行為を監視し、安全を確保する重要な役割を担っています(無自覚ですが)。使用期限切れの物品や薬品の使用、不適切な患者への対応など、専門家の目には明らかな問題を即座に指摘できるのです。
私自身の見学経験から言えることは、私たちの注目は主に外科医の技術とその環境に向けられています。患者さんに対しては、必要以上の注意を払うことはありません。見学者は、主に医療提供者の行動を監視するためにいると理解してください。あなたにとっての損は1ミリもありません。
患者さんのプライバシーへの配慮は非常に重要です。しかし、見学者の存在がもたらす安全と透明性は、それをはるかに上回る価値があるということを胸を張って申し上げます。
追伸
密室状態はリスクを伴います。関係者だけが多くいても、それは実質的に密室と同じです。第三者である見学者の存在は、このような状況を防ぐためにも、非常に重要な役割を果たしています。
あとがき
思えば手術室ってタイルの壁が多かったと記憶しています。この写真は再建手術のあと(20年前)。嵐の後の静けさの一瞬です。撮影時刻が4時44分(未明)です。こんな生活をしていましたね。