まぶたの感覚を司る神経は?【中級者向け】

まぶたの知覚神経

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おおたけ眼科上尾医院での眼瞼下垂症手術の際の出来事です。

「いたた」

手術中に高周波ラジオ波のメスで切るときに痛みを感じたそうです。

「私は痛がりなもので…」

私に気を使ってくださった一言でした。

まぶたが一重で厚ぼったいヒトは、眼輪筋や眼輪筋下脂肪、眼窩隔膜からなる構造が強く発達しています。

その中を縦方向(頭から足先までの軸方向)に貫いている神経を肉眼で確認できます。これを電気メスで触るときに痛みを感じることがあります。

上まぶたの知覚(感覚)は、三叉神経の1番目の枝から分かれてくる

  • 眼窩上神経
  • 滑車上神経
  • 滑車下神経

と、三叉神経の2番目の枝から分かれている

  • 頬骨神経

で担われています。(運動神経ではない)

神経の発達度合いも個人差があります。この方は非常に太い神経でした。局所麻酔薬は太い神経ほど「高濃度」を必要とし、効くまでにも時間がかかります。

まぶたのボリュームの少ない人は手術執刀前の局所麻酔薬で十分です。一方、ボリュームの多いかたは、要所要所で局所麻酔薬を足しながら手術を行います。

だからといって局所麻酔薬を使いすぎると、術中からまぶたが腫れたり、眼瞼挙筋が麻痺することもあります。そうなるとまぶたの仕上がりを評価するのが難しくなってしまいます。だから、局所麻酔薬もやたらと多く打ち込めばいいというものでもありません。

本日は眼輪筋下脂肪、隔膜前脂肪など、厚ぼったさを演出している組織を積極的に切除しました。未熟であるがゆえに痛がらせてしまい、申し訳ございませんでした。 今後は状況を見て2%濃度のリドカインを使用することも考慮しますね。

ところで手術中での雑談のなかで、

「なかなかタバコがやめられない。喉もいためてるのに…」

とのこと。煙草の害、経済的負担など重々理解しているのに禁煙できないんですよね。

たばこを切らした時の不安感、焦燥感は眼瞼下垂症が助長している可能性はあります。

眼瞼下垂は前頭前皮質腹内側部を刺激して喫煙欲求を強めているかもしれません。

下垂手術後に、再び禁煙に挑戦してみませんか?

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