「目は口ほどに物を言う」
視線や眼の周囲の表情は、口で話すのと同じくらいに相手に思いや考えを伝える。
ということわざです。
口ではうまいこと言っても本心が透けて見えてしまうということでしょう。
例えば、眉間にしわを寄せるとき(ほとんど無意識ですが)は
- 嫌なことがあった、不快な気持ち
- 相手を攻撃する
- 悩んでいる
- 拒絶
という感情を表します。
眼瞼下垂症患者さんにとって、見た目も悩み事です。眼瞼下垂になると眉間にシワを寄せることが多くなります。
「目付きが悪い」→「意地悪そう」
という印象を相手に与えてしまいます。実際にそのような訴えで受診されます方もいます。
本心ではそんなこと考えていないのにネガティブなイメージを与えてしまっているのでは?という心配があります。
実際には程よい(?)下垂はむしろ優しいイメージがありますけどね…
なぜ眼瞼下垂になると眉間にしわを寄せてしまうのでしょうか?
眉間にしわを寄せる筋肉(皺鼻筋)を緊張させることにより、ミュラー筋が刺激されます。
格闘技に臨む選手は相手を睨みますが、ミュラー筋を刺激して交感神経を賦活しているのです。
眼瞼下垂になるとミュラー筋を刺激してまぶたを持ち上げようとするのです。
しっかり相手を見つめようとすればするほどに「睨んでしまう」のです。
眉間にしわがよると攻撃的なイメージが生じます。
「眉間にシワ」を寄せるのが習慣になると厄介です。意識しても眉間にしわを寄せる癖が取れなくなり、また眉間ジワが深く刻まれて眉間に力を入れなくてもシワが残ってしまいます。
「目は口ほどに物を言う」法則により、一年中大きく損してしまいます。
ちなみにこの患者さんは治療するまでは意地悪そうな顔つきと言われたそうです。今はとても優しい表情に落ち着いていますね。
眼瞼下垂症の啓発目的での写真使用を承諾していただきました。ご協力ありがとうございます。(埼玉県の患者様)
(2015年6月30日加筆修正)
(2015年11月12日加筆修正)