10月4,5日に福島で日本形成外科学会基礎学術集会が催されました。その中で先天性の眼瞼異常に関するガイドラインシンポジウムが行われました。
私が担当したのは「瞼裂狭小症候群」の治療部門。
先天的に「眼瞼下垂症」と「蒙古ひだ」、「瞼裂狭小」が認められるものです。
頻度の少ない疾患のため、ガイドラインを作るための十分なエビデンスを得ることが出来ず、大変悩みました。結果的にはシンポジウムでもガイドラインのあり方について若干揉めました。
とある雑誌に仏教特集がありました。
「仏教は真理が与えられることはない。ズーっと考え悩み続けることが大事。与えられたり、見いだすのはあくまで暫定解である」
といった内容。
ガイドラインのあり方についてはまさにこの発想でいいのかなと思いました。
医学というものは、真理を追究してもそれを得ることは大変難しいと考えています。またその時代の価値観が多分に影響するものですから、ガイドラインもあくまで「暫定解を導くもの」と考えれば良いのでしょう。
そう思ったら肩の荷が下りる思いがしました。