第60回日本形成外科学会学術集会in大阪(平成29年4月12日〜14日)。今回も情報交換してきました。戦慄を覚える、驚きのニュース第三弾ですよ。
学会報告第三弾デス。
ニュース: 「下まぶたミュラー筋が下まぶたを下にひっぱっている!」
松尾清先生のグループから下まぶた関係の演題が3つ。
- 「下眼瞼のミュラー筋の機能(その1)交感神経緊張が大きいと下眼瞼ミュラー筋収縮により下眼瞼退縮は起きる」
- 「下眼瞼ミュラー筋の機能(その2)下眼瞼ミュラー筋過収縮は退行性眼瞼内反症の原因となる」
- 「下眼瞼ミュラー筋の機能(その3)下眼瞼ミュラー筋機械受容器過伸展は瞼板部眼瞼痙攣・開瞼失行を起こす」
上まぶたと同じく、(ミラーイメージのごとく)下まぶたにもミュラー筋がいます。
交感神経が興奮状態になると、ミュラー筋が縮み、したまぶたは下に引っ張られます。眼瞼下垂症になって交感神経が緊張すると下まぶたのミュラー筋が収縮し、したまぶたが下に引っ張られます。代償機構ですね 🙂 。
ミュラー筋の緊張が強い人でCPF(上まぶたの眼瞼挙筋に相当)が皮膚に繋がっていない場合は内反症になるリスクが高いようです。この場合は下まぶたのミュラーを外しましょうとのことでした。
下まぶたのミュラーに負荷がかかると眼輪筋瞼板部の強直性けいれんがおきます。したまぶたのミュラー筋をリリースしてミュラー負荷を減らす手技(ADM)が有効かもしれないとのことです。
眼輪筋瞼板部とは、まつげに近い部分の眼輪筋。この筋肉が緊張すると上下のまぶたが接着剤でくっついたような動きになり、瞬時に目を開くことができません。
そんな時、下まぶたを指で引っ張ったり(あっかんべーの要領)、上まぶたを指でちょいと持ち上げると開きやすくなります。
朝、起きた時は指でまぶたを開けています!
患者さんから聞く言葉ですね。まさに眼輪筋瞼板部のけいれんです。
あなたは大丈夫?