「重症筋無力症による眼瞼下垂に眼瞼下垂症手術は有用」
2013年、第56回日本形成外科学会総会にて。慶応大学形成外科、清水雄介先生の報告。
多数の医療機関で調査を行ったところ、
「重症筋無力症で通院されている患者さんで眼瞼下垂症手術をうけたヒトは3%に満たない。」
一方、「慶応大学で眼瞼下垂症手術を行った重症筋無力症の患者さんはとても経過がよい。」
(もちろん手術適応は、内科で2年以上フォローされているなど、しかるべき内科的治療がなされている患者さんに限ります。)
こまちくりにっくの土井秀明先生より意見がありました。
「潜在的に加齢性の下垂があり、これを修復した効果が出ているのでは?」
演者の清水先生も同意されてました。
(金沢雄一郎、久保麻衣子ほか 眼瞼下垂症手術を施行した重症筋無力症3症例の検討ー眼輪筋減量を付加した術式ー、第55回日本形成外科学会総会・学術集会、千代田区、2012年4月)
重症筋無力症に罹患する患者さんはほとんどが成人以上です。大なり小なり「加齢性の眼瞼下垂」を潜在的に持ちます。
若いときには「3のチカラ」で挙げていたまぶたですが、年を取ると「6、7のチカラ」が必要になります。さらにここへ重症筋無力症を発症すると、「6,7のチカラ」が発揮できなくなります。頑張っても「5」の力までしか出せません。
ですから眼瞼下垂症手術で「3のチカラ」でマブタが挙がるようにすると、楽になります。つまり年齢応分のまぶたの劣化を修復するだけでまぶたが楽に上がるようになります。
マブタが楽になれば必要な内服薬の量も減らせるかもしれないのです。
重症筋無力症でマブタが重くて悩んでおられる患者さんが沢山おられます。清水先生頑張りましょう!応援してます!
(2015年6月30日加筆修正)