副涙点とは?目頭の下についてる穴から液が出てくる

涙道

「目頭の下にぽつんと点がある。穴があいているようであり、ときどき汁がでてくるんです」

目次

副涙点(ふくるいてん)

生まれつきこのような穴を持っているヒトがいます。

  • 副涙点
  • 外涙嚢瘻
  • 涙嚢瘻孔
  • 涙道瘻孔
  • Accessory lacrimal duct

などと呼ばれます。

副涙点
副涙点

穴から出てくるのは。目頭から鼻へと涙が抜け落ちるルート(涙道)があります。その道と穴がつながっており、涙が逆流してくるのです。(穴は空いておらず、くぼみだけのヒトもいます。いわゆる痕跡)

下のイラストを御覧ください。まぶたの内側には上下に涙点(上涙点、下涙点)があります。ここから涙が吸い込まれていったん涙嚢にたまり、そして鼻の中に落ちていくのです。

このルートを涙道といいます。まばたきのたびにポンプ機能が働いて、涙を鼻の中に送り出しているのです。

目薬をさすと喉の奥に苦味を感じることがありますよね。あれ。

涙道
涙の通り道=涙道 そして副涙点からのルート

赤い線で示したのが副涙点からのルートです。涙嚢につながっています。(あるいは下涙点から涙嚢までの涙小管につながっているかもしれません)

疫学

「2000人にひとり」との報告があります。わたしは今までに4人会いました。

Chaung JQ, Sundar G, Ali MJ. Congenital lacrimal fistula: A major review. Orbit. 2016 Aug;35(4):212-20.  Epub 2016 May 18.

副涙点で困ること

  • 整容上の問題
  • 涙がこぼれる(流涙症)
  • なみだで肌が荒れる
  • 涙のう炎

拭うためにハンカチが手放せないヒトもいます。

感染を起こすことはあるでしょうか?涙の流れが滞ったりすると感染を起こすことはありそうですが今まで見たことがありません。

副涙点の治療

原則不要です。

涙の漏れで日常生活に支障をきたすようなら手術で瘻孔を切除(塞ぐ)ことも検討されます。涙のながれに障害をきたすような形態異常に対しては、涙道再建手術も行われます。

『先天性外涙嚢瘻—漏涙とその治療』 https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410208522

“Accessory Lacrimal Ducts of the Nasolacrimal System” https://www.aao.org/disease-review/accessory-lacrimal-ducts-of-nasolacrimal-system

私は治療をしたことがありません。手術自体で、涙を流す機能を損傷するリスクがありそう。損傷して涙の流れが滞ると炎症(涙のう炎)を起こします。

上に紹介した”Congenital lacrimal fistula: A major review”でも「著明な流涙などを有する場合に限り手術的介入を考える」と述べています。涙道を専門にしている眼科医にゆだねたいですね。

あとがき

副涙点に関する情報って日本語では少ないですよね。しかし医療者が認識している以上に多くいるのではないかと思った次第です。だって注意して見ていませんから。私がお会いした4人のうち「副涙点の相談」で来院された方はおらず、すべて別件で偶然認識するに至ったものです。赤ちゃんに副涙点があると親は心配しますよね。まずは焦らずにゆっくり経過を見てください。

メモしておいてね
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして
    私も副涙点があります
    生まれつきです結婚もしてもう大学生の娘がいます
    でも子供の頃からめちゃくちゃ悩みました好きな人と恋愛するのも怖かったし何時も受け身でした
    でもその当時相談もなくましてやスマホなんて(笑)とにかくつらかった(笑)最近そこに涙がたまるようになりました眼科に相談したら管がつまってるかもと
    先生のブログみたらほって置いても大丈夫むたいにありましたがわたしもおなじいけんです塞いだり変にさわらない方が良いと考えてます
    どうでしょうか

    • コメントありがとうございます。
      第三者はまず気づくことがないし、万が一気づいたとしても気になりません。
      まずは見た目を気にしない事が大事です。
      機能的に問題があったら眼科で相談しましょう。問題がなければおっしゃるようにそっとしておきましょう。

目次