眼瞼下垂の手術に適した年齢とは?適齢期ってある?

眼瞼下垂症手術の決断の時期は?適した年齢は?

「手術はもっと年取ってからの方がよいのでしょうか?」

「手術しても、どうせまた下がってくるだろうからギリギリまで我慢した方がよいのでは?」

よくある質問です。

先日は「手術は押し売りはしない」といいました。

が!しかし、

実は少々早い方がメリットが多いのです。なぜかって?

早めに手術をすることのメリット

若いうちはまぶたの皮膚がスウェット生地なのです。だから顔面の骨格、輪郭にフィットして、動きも自然に馴染むのです。「追従性が良い」と言います。しなやかな湿布のイメージですね。

一方で、高齢(60歳〜)になると、皮膚が「湿った段ボール」になります。頑固な折れジワは消えないし、それどころかまぶたの動きをブロックします。ごわついて顔の輪郭にフィットしにくいです。まぶたの動きにもついてこれません。「追従性が悪い」です。乾きかけた「冷えピタ」のイメージです。

女性なら50代まで。男性なら40代までがスウェット生地でしょうか。(個人差あります。)

(喫煙者はマイナス1020歳です)

なお、80歳を超えるとまた皮膚は薄くなり、伸びも縮みもしない、熟したトマトの皮のようになります。

つまり、手術の仕上がりにおいて、若い人の方がメリットが大きいということです。

そして、もうひとつ。「眼瞼下垂によって引き起こされる表情の変化」が長年定着すると、手術をしても表情の癖が取れないことがあります。もしくは、表情の癖が取れた場合に余った皮膚が戻らないということです。

ドンキ◯ーテなどで売ってる仮装用フェイスマスクを想像してください。顔の中身を直しても表の皮膚はついてきません。

これ、どちらも困りますよね。

 

その観点からは、「今現在」眼瞼下垂で困っていたら、「今」手術した方が良いでしょう。自分自身を振り返っても、30代で手術を受けて良かったと思います。

とはいうものの、社会で一番活躍している時期です。なかなか休みが取れないですよね。そう、ダウンタイムが必要だからです。

関連記事:「眼瞼下垂手術後のダウンタイムを最短にして、一刻も早く社会復帰する方法」

510年単位で遅らせると、手術の仕上がりもについて予測不能な因子が多くなってきます。どうにかスケジュールを調整できるといいですね。

ですが、月単位の違いはありません。慌てて手術をする必要はないです。ゆっくり担当医と相談しましょう。

視野障害があったら

視野を障害していたら治療が必要です。ここは誤解のないようにお願いします。

モデル患者さんです。

まぶたの縁が瞳孔にかかっています。眼瞼下垂の治療をためらっていました。「もうこの年齢までこれで我慢してきたし。もういいかな?なんても思うのです…」

諦めの気持ちもわかります。ですがご本人は意を決して右まぶたの手術を受けました。

右の眼瞼下垂術後
右の下垂の治療をした

シンプルな眼瞼下垂手術(挙筋前転法)です。年齢と、下垂の期間が長かったことを考慮すると、正直申し上げると綺麗に仕上げる自信はありませんでした。たまたま良い経過となったと理解してください。

何はともあれ、視野が障害されるレベルの眼瞼下垂は、今後の視力にも影響しますから早めに眼科で相談しましょう。

※眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます😊

尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。

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