眼瞼下垂手術の押し売りはしません

「血糖値が高いから下げないとやばい」

「いますぐ入院しないと!」

「ガンだから手術が必要」

「いますぐ骨折の整復をしないと」

これらは緊急性のある医療行為です。

本人が嫌がっていても、本人のために、押し売り気味に、医療行為を受けるよう促します。時間が経過するごとに事態が刻一刻と悪化し、取り返しのつかないことになるからです。

では眼瞼下垂症はどうでしょう?

そうです。

「緊急性はない」です。

眼瞼下垂症の治療は無理して受けなくても良い

だから眼瞼下垂の治療を押し売りする必要もないのです。しかも、治療自体に多少なりともリスクもあリます。だから、あなたが自由に選択すれば良いのです。

実際の眼瞼下垂治療前後の写真

眼瞼下垂術前術後
左右の眼瞼下垂の術後

あなたの眼瞼下垂が治療の結果、この程度まで改善することが期待できるとします。この写真だけ見ると「治療した方が良い」と思いませんか?医療を提供する方も太鼓判を押したくなるかもしれません。

しかも、眼瞼下垂症手術って眼球触らないし、失明するなんてこともないし、そういう意味では重篤な後遺症はありません。

でもね。まだ落とし穴があるのです。

この仕上がりが本人的にとって「絶対受け入れられない」という人もいるかもしれない。(左の眉位置が高いのが残り、左の二重幅が広い)

傷の違和感で心が病んでしまう人がいるかもしれない。

傷が残ったということを、ことさらに大げさに受け止める人もいるかもしれない。

そのようなことを、僕ら医療者があらかじめ把握することはできないし、「そんなことはあり得ない、おかしいのはあなただ!」なんて言って患者さんの価値観を否定するものでもないのです。

だから慎重に検討してほしい。

たくさんのダウンタイム写真や経過の思わしくない写真をネット上で見ることができます。

ネットの世界でネガティブな情報に触れすぎたあまり、手術の決断ができずに、まぶたのハンディを負ったまま人生を全うしてしまう人もいるでしょう。それはその人にとって残念なことのようにも感じられます。でもそのように「決断できない人」を無理やり引きずりこむことはできないのです。

強いて言えば私にできることは、前に踏み出す一歩を「ここだよ」と促すことかなと。

背中は押しません。(でもちょっと押したい気持ちはある)

無治療を選択するのも立派な決断です。正しい情報を得た上でね。

 

 

まぶた治療啓発目的に写真使用することに同意いただきました。ありがとうございました。

健康保険治療(三割負担)でした。眼瞼下垂症手術リスクについてはこちら。

当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。

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