二重(ふたえ)の幅って何?
「ふたえの幅」って、ふたえの谷間が奥に引っ込んだ「奥二重」から、広~く見える「幅広ふたえ」があります。
この「二重幅」は、一般的には「見かけの二重幅」を指します。
“pretarsal show” (プレタルザルショー)
直訳すると「瞼板前の皮膚が隠れずに見えている部分」
となります。“apparent crease hight”(見かけの二重幅)という表現もあります。
「まぶたの縁から二重の谷間までの距離」とする考えもあります。これは手術をする際に目安とする指標になります。しかし、このふたえの谷間までの高さが十分ある人でも奥二重になる人もいます。実生活上では「見かけの二重幅」の方が気になりますよね。
この「見かけの二重幅」ってとても変動しやすいものなのです。
「目ヂカラ」や「眉の高さ」に影響される
仮にまぶたの縁から二重の谷間までの距離は変わらないとします。まぶたが強く挙上されれば被さる皮膚が多くなります。その結果、ふたえ幅は狭くなります。一方、まぶたを下垂させて「半目」の目つきにすると二重の谷間が見えるくらいになり、見かけの二重幅は広くなります。
つまり、目力を強くするほど奥二重になるということです。
そして、眉位置をあげるとどうなるでしょう?
驚いたような表情でオデコにチカラをを入れて眉を上げてみてください。瞼板前の皮膚(pretarsal area)に被さる皮膚が上方へ持ち上げられ、見かけのふたえ幅は広くなりますね。一方、しかめつらをする様に眉を押し下げてみてください。ふたえ幅は見えなくなります。
ふたえ幅の左右差について
では眉位置に左右差があったらどうなると思いますか?
そうです。見かけの二重幅も左右差が現れます。
ここが、落とし穴なのです。
眉の位置の左右差を意識したことがありますか?
40歳を超えると皆左右差があります。もちろんこれは異常なことではありません。そういうものです。
だから、ふたえ幅に左右差があることは極めて普通のことです。どうか心配なさらないでください。
実際のモニターさん
さて、ここにモニターさんの眼瞼下垂術前術後写真があります。この方はもともと「一重」です。眼瞼下垂の手術のために新たにふたえの谷間を作りました。
さて、見かけの二重幅に左右差があること分かりますか?
そうです。左のほうが広く見えますね。
では、眉位置は?
そうです。左の方が高いです。
手術のデザインは二重の谷間は左右同じに設定しました。その結果、このように「見かけのふたえ幅」に左右差が現れるのです。
「眉位置に左右差があるにもかかわらず、見かけの二重幅を同じにしたい」となると、デザインから左右差を作ればいいんじゃないか?と思われるかもしれません。
しかし、そうは問屋が下さないのがまぶたの世界です。
そもそもなぜ眉位置に左右差があるのか?
それは前頭筋や眼輪筋の緊張のバランスが影響しているのです。
眉の高さが眼瞼下垂の程度で変わる「眼瞼下垂術後におでこのシワが浅くなったけど、目尻のシワが増えました😅」このような変化はよく起こります。眉の位置が術後に下がることが原因。眼瞼下垂になると前頭筋にチカラが入って眉が上がり、おで[…]
皮膚をちょこちょこいじっても筋肉の緊張の制御は不可能です。影響を与えることはありますが、その効果は不確実(結果が予測できない)です。
眼瞼下垂手術に限らず、二重を作る埋没法、切開法の際にもふたえ幅に左右差がでます。それだけでなく、メークの時にも眉位置の左右差の影響を受けます。
表情を作る時にも左右差が
最後にもうひとつ。私たちは毎日人とコミュニケーションをとります。その時にダイナミックに表情を作っています。
困った、嬉しい、驚きなど、喜怒哀楽を表しますよね。その時も眉の高さってすごく動くんです。そして左右差が著しく現れるのです。
特に相手に注意を向ける時って、相手に耳を向けますよね。例えば右にいる人に注意を向ける時は、黒目は右を見ます。そして、右眉が上がるんです。すると…右の二重幅が広くなりますね。