全切開の幅広ふたえが不自然な訳|ふたえの線が2本ある【続編】

前回の記事で重瞼線が2つ(3つ以上)あることをお話ししました。

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高い位置の重瞼ラインを「上の重瞼線:Upper-positioned crease(UPC)」
低い位置の重瞼ラインを「下の重瞼線:Lower-positioned crease(LPC)」

でしたね。

これは、人がもともと持っている構造です。これをあらかじめ知らずに眼瞼下垂治療を受けると、予想外の仕上がりに「ふたえの線が増えちゃった!!( ;  ; )」と悲しむこともありえます。

それぞれのラインがもたらす影響を考察します。

上のふたえのライン:Upper-Positioned Crease

ざっくりのイメージですが、ふたえの平行型は「上の重瞼線:Upper-positioned crease(UPC)」がつくります。ちなみに西洋人では上眼瞼溝(眉下の骨のくぼみ:いわゆるホリ)に近くなります。みんなが欲しがるラインですね。

平行型のふたえ
アジア人、平行型ふたえ

まぶたが眉下のスペースに滑り込むようにしてできる谷間です。谷間自体もダイナミックに上下に動いています。まぶたの動きと谷間の動きの量は1:1ではなく、2:1くらい。つまり、「まぶたが10mm動くと谷間は5mm動く」くらいの緩さがあります。

下のふたえのライン:Lower-Positioned Crease

一方、「下の重瞼線:Lower-positioned crease(LPC)」には挙筋腱膜が連結しています。そしてまぶたを挙上するときに連動して奥に引き込まれます。この動きの量はほぼ1:1です。

全切開(皮膚切開)重瞼術のふたえの不自然さ

ちなみに、全切開(皮膚切開)をしてふたえを作ると、まぶたの動きとふたえの谷間の動きの量は1:1になります。実際は2:1くらいなのにね。この事実が、幅広ふたえを「切開」で作ることの難しさの原因になっているのです。

一方、埋没法はまぶたの動きと谷間の動きにズレができるので比較的自然です。

下位のふたえのラインがないタイプ

ところで、生まれつき下の重瞼線がない人もいます。

挙筋腱膜の連結が弱いのでしょう。この場合、開瞼時にまぶたの皮膚が置き去りになり、上まぶたの逆さまつげになります。

下の重瞼線がない
生粋の一重まぶた

この場合は、低めの重瞼線をしっかり作った方が良さそうです。

下位の重瞼線があるが上位の重瞼線がないタイプ

そう、「見た目は一重だけど、よく見ると奥二重」になりますね。

下位の重瞼線がありかつ上位の重瞼線もあるタイプ

まあ、いわゆる二重(ふたえ)です。多くの人が求める理想形です。以下の動画16秒から見てみましょう。

(番外)下位の重瞼線がなく上位の重瞼線を無理やり広く作成した場合:

まつげの上の、ふたえ幅の中の皮膚がポヨヨンとたるむことがあります。ハム目と表現されることも。

追伸

正確には2本キッチリではありません。実際には3本以上見られることが多いです。内側だけで中央で消失したり、など曖昧です。

「眼瞼下垂手術をする前から、すでに複数の重瞼線が存在しているということ」をあらかじめ理解しておくことは、術後の仕上がりを理解する上で大きな助けになります。

この記事も確認しておいてください。関連記事:『眼瞼下垂症術後に目尻の重瞼線がふたまたに|二重(ふたえ)の線はもともと2つある』

自分の鏡で観察してみてくださいね。

 

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