眼窩脂肪の再配置でまぶたの動きをスムーズに。手術で滑走性を高め、再手術の安全性も確保

眼窩脂肪の再配置

以下のように表現することもあります。

  • 眼窩脂肪を前転
  • 眼窩脂肪を敷き込む
  • 眼窩脂肪を引っ張り出す

通常の眼瞼下垂手術(健康保険適用)でもデフォルトで行います(私は)。

目的は、目を開きやすくすること。

そのために、前葉と後葉との連動性を弱めて互いに滑り合う(滑走)ようにします。

前葉と後葉とが広範囲に連動して一緒に動いてしまうと、まぶたの動きが制限されてしまうから。

雨に濡れた衣類を身につけると、肌にまとわりついて動きにくいと感じるでしょう。あのイメージ。

くっついた前葉を浮かし、間に柔らかい(癒着しにくい)眼窩脂肪(もしくはその膜)を敷き込むのです。すると連動が弱まり、お互いに自由にスムーズに動くことができます。つまりぬるぬるクッションの役割をします。

眼窩脂肪を差し込む
眼窩脂肪を前葉と後葉の間に差し込む

 

眼窩脂肪が滑りを作る
前葉と後葉とがツルツル滑りあう

そして利点がもうふたつあります。

ひとつは再手術がしやすいこと。癒着がないため、挙筋腱膜を損傷せずに(出血も少なく)安全に挙筋腱膜の前面に到達できるのです。

もうひとつは予定外の重瞼線が出来にくいこと。高い位置で癒着を起こしにくくなるから。

追記:上まぶたのボリュームを補う効果があるとも言われますが、私個人はその効果はあっても小さいと考えています。

問題は元々脂肪が少ない人や切除ずみの人は脂肪の再配置ができないこともある点。仕方ないです。

あくまでいち外科医の感想です。あらかじめご了承くださいね。

モデル患者さん

前葉と後葉が広範囲で連動しているのがみて取れます。加齢で目周りがやつれてくると、前葉と後葉とがお互いに重なり合って連動してしまうようになるんですね。その連動を解除して間に眼窩脂肪を敷き込み(再配置)ました。

眼窩脂肪の再配置
滑走性を高めることがスムーズなまぶたの動きを助ける

※本投稿は手術を促すものではありません。治療をすることはマスト(必須)ではありません。治療の結果により目つきが変わったり、ダウンタイム期間が本人にとって思いのほか苦痛になることがあるからです。現状を受け入れて共存していくことも価値ある判断でございます。

あとがき

五十肩を患いました。イテテテ、左肩が上がらない。ランニングから帰ってきて、そのシャツを脱ぐのが一仕事。フンって飛んだり跳ねたりしながらシャツを脱ぎます。

でも不思議ですね〜。治る気配が見えてきたのです。3ヶ月くらいかかりましたけど。不具合を抱えている時って、この状態が治らずに一生続くんだって思い込んでしまいますよね。でもいつか治るんです。

「日にち薬」という言葉があります。これ本当なのです。

川越七福神
川越の七福神巡り。”神頼み”って日にち薬のことだったのかも

待てば海路の日和ありです。

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