信州大学形成外科の功績のひとつ
眼瞼下垂と頭痛・肩こり。この因果関係に着目したのが大きな功績です。今となっては当たり前に受け入れられている事実。ですが、当初は日本の医学会が受け入れなかったのを強烈に記憶しています。このことを大学の教室に伝えたら笑われましたから…🥲(逆に私にとっては発奮材料になった)
でね、視点を世界に移すとこれが“常識”じゃないんですよ。みんな知らないのよ。
海外の”ホルネル症候群の掲示板”をフォローしている私。
眼瞼下垂や、縮瞳、顔の火照り(ハーレクイン症候群)など活発に情報交換されています(海外の人は瞳の色が明るいから瞳孔サイズの左右差が見た目でも大きな問題になる)。もちろん手術や点眼薬なども。
後天性ホルネル症候群はある日突然、起こります。そして片方が眼瞼下垂に。
で、例の掲示板。
- 「頭皮が引っ張られる」
- 「首が凝る」
- 「頭痛(偏頭痛も!)がする」
との報告が頻繁に書き込まれます。
これ、日本に住んでいるあなたなら、眼瞼下垂のせいだよね。と瞬時に理解できますよね。ところが、海外だと眼瞼下垂と頭痛肩こりが結びつかないんですね。だから彼らは交感神経の麻痺が、いかに頭痛・肩こりにつながるかって一生懸命に考察してるんです。(担当医たちは知らん顔してる様子)
海外で、その頭痛首こりが下垂のせいだと気づくのにあと10年はかかるかもしれないと思った次第。日本も「眼瞼下垂と頭痛肩こり」が受け入れられるのに10年かかったから。
(もちろんホルネル症候群が直接的に頭痛肩こりを起こしている可能性もまだあるけどね)
関連記事:『眼瞼下垂治療によって頭痛が改善するのか?因果関係は証明されているのか?』
参考
まぶた手術後に頭痛が改善したとの報告です。
追伸
ChatGPTに聞いてみました。
PubMedなどで“ptosis” + “headache” や “neck pain”などで検索しても、日本の知見を英語論文として積極的に発信した報告は少数です。
したがって、**国際的には「知られていない」というよりも「知らされていない」**というのが正確かもしれません。
眼瞼下垂が肩こりや頭痛の原因になりうるという知見は、日本国内では臨床的に受け入れられているが、国際的にはまだ十分な認知が得られておらず、科学的検証や発信が遅れている状況です。
そうなんですよね。そもそも不定愁訴を関連づけるための検証って難しいんですよね。痛みとか凝りって主観的ですから…