眼瞼下垂による機能障害とは?
眼瞼下垂に対する代償機構が働き、身体に負担がかかることに

眼瞼下垂になると、顔の筋肉に余計な緊張が入ったり、首や肩の筋肉がこわばります。例えば、おでこに力を入れて眉を持ち上げますね。さらに顎を突き出す姿勢になります。これは眼瞼下垂によって起こるであろう視野障害をあらかじめ克服するための代償機構が働いているのです。
その結果、
まぶたのたるみ(眼瞼下垂)が進むと、肩こり頭痛、つかれやすさが強くなります。つまり身体機能に影響をおよぼし、身体の機能障害を引き起こします。さらに交感神経にも影響を及ぼすことが分かってきました。
眼瞼下垂症治療の目的は機能障害を改善すること
視野障害が現れる前に生じる、機能障害(肩こり頭痛、疲れやすさなどなど)を改善します。眼瞼下垂症治療(腱膜の修復)により、代償機構が不要となるためです。
さらに目をグッと大きくする必要はない。
まぶたの構造が修復されれば、まぶたが軽く感じられ、身体も軽くなります。目をギョロっと大きくする必要はないのです。
実際のモニターさんを見てみます。

術前は肩こりがひどく、まぶたの重たさがつらいという症状。術前の状態でも視野障害が生じるには至っていません。しかし、下垂に特有の表情(眉が上がり、黒目が上がって下三白)になっています。ぐったり疲れたような表情です。
眼瞼下垂症手術でまぶたを修復すると、
それまで一生懸命に力を入れていた、余計な力がスーッと抜けます。
目を大きくしなくても、黒目が下がるために、黒目(角膜)の露出量(見え方)が大きくなります。
術前は死んだ目(失礼!)というか、目つきが怖い(失礼!)だったのが、治療によって優しい目になりましたね!
これが機能的眼瞼下垂症手術です。
- 年齢:**
- 性:女性
- 手術:両側の挙筋腱膜修復術
- 皮膚切除:4mm幅
- 脂肪切除:ROOF切除(しっかり減量)
- lateral horn リリース:左右ともhalf
- 下位横走靭帯:左右とも太いのが発達、リリースした。
- 挙筋腱膜の滑り:右:0 (1)2 3 4 左:0 (1)2 3 4
- 挙筋前転:右:微量 左:微量
- 腱膜固定:右:2点 左:2点
- ミュラー筋処理:左右ともなし
- 手術時間:60分
- 備考:脂肪切除量多く、術中に局所麻酔を適宜追加した。術後の腫脹は長め。
眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます。(埼玉県の患者様)
あとがき
この文を執筆中に蚊に襲われてます。2箇所から我が血液を提供させていただきました(ー ー;)