どうして下三白眼(したさんぱくがん)になるの?

「三白眼はきつい印象・・・」「三白眼は疲れた目に見える」このような悩みがあるあなた。三白眼とは、黒目の下の「白い結膜(白目の部分)」が下まぶたのふちの上に見えている状態です。下三白眼(したさんぱくがん)とも言います。なぜ眼瞼下垂になると、三白眼になるのでしょうか?一緒にそのメカニズムを調べてみましょう。

三白眼(さんぱくがん)は見方を変えると、

  • 黒目の位置が高い
  • 下まぶたのフチが下に後退している(下がっている)

ともいえます。

三白眼になる原因のひとつは眼瞼下垂だった

解明のカギは眼瞼下垂症の病態生理(賢明なあなたならわかるはず😄)

眼瞼下垂が進むと、発生由来が同じである上直筋(眼球を上転させる筋肉)が動員され、まぶたを持ち上げようとします。

すると黒目が上に上がりますね(眼球が上転する)。

そのため、水平方向の視軸(前後軸)がずれるので、下直筋(眼球を下転させる筋肉)を収縮させ、上転しようとする眼球を下へ引っ張り返します。カウンターですね。

上直筋、下直筋ともに引っ張ります。
上直筋、下直筋どちらも収縮します

引用:スネル臨床解剖学(第2版) MEDSI社

その結果、眼球をぐっと引っ込めることになります。

この時、Lockwood靱帯(眼球を下から支えているスジ)も後ろ上方に引っ張られます。結果、この靱帯に乗っている眼球は上にもちあがります。また、黒目が上がります。

眼球を下から支えるLockwood's靭帯。横方向の緑色のスジ。眼球の上にあるのがWhitnall's靭帯
眼球を下から支えるLockwood’s靭帯。横方向の緑色のスジ。眼球の上にあるのがWhitnall’s靭帯

出典:Surgical Anatomy around the ORBIT p.85 LWW

さらに、

下直筋が収縮すると同時に、Capsulopalpebral fascia(下マブタを下に引っ張るスジ、ミラーイメージで上眼瞼挙筋に相当する;CPF)も引っ張られるので下まぶたが下に引き下がります。いわゆる「アッカンベー」になります。

これを説明しているのが、信州大学形成外科松尾清先生の論文です。

下三白眼は眼瞼下垂の徴候

Matsuo, K., Kondoh, S., Kitazawa, T., Ishigaki, Y., & Kikuchi, N. (2005). Pathogenesis and surgical correction of dynamic lower scleral show as a sign of disinsertion of the levator aponeurosis from the tarsus. British journal of plastic surgery58(5), 668-675.

つまり、「腱膜性の眼瞼下垂になると下三白眼になる」ということです。

三白眼は直せるか?

腱膜性眼瞼下垂症が修復されると下三白眼が改善する場合があるのです。上直筋、下直筋の力が緩むからです。

実際のモデルさんで確認しましょう

眼瞼下垂術前後の写真
眼瞼下垂手術の前後で下まぶたの状態を観察してみてください(タップorクリックで拡大)

眼瞼下垂による下三白眼がみられます。

CPF(Capsulopalpebral fascia,下眼瞼牽引靱帯)が下マブタを下方に引っ張っています

CPFが皮膚までつよく連結しているためにまぶたが外反しています。そのために、まぶたの縁が目の表面(眼球結膜)から浮いています

(※CPFが皮膚まで結合してないと逆に内反しやすくなるのです)

術後の写真は、眼瞼下垂症手術を行って一年以上経過した状態です。

金沢のイラスト
かなざわ
下三白眼が改善していますね!
  • 長年コンタクトレンズを使用している
  • メークをする習慣がある
  • 肩こり頭痛もち

というあなたは眼瞼下垂症を疑いましょう。大丈夫ですか?

三白眼そのものは病気ではないので悪しからず・・・・

金沢のイラスト
かなざわ
下まぶたが下に後退すると、眼を大きく見せる効果もあります

参考:下眼瞼下制術:リッツ美容外科(広比利次先生)

下まぶたやや耳側を、下に後退させることで目を大きく見せることができる。つり目の人に有効。

眼瞼下垂症の啓発目的での写真使用を承諾していただきました。ご協力ありがとうございます。(埼玉県の患者様)

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黒板に先生

(2018年9月24日修正)

(2015年6月4日修正)

(2017年5月26日加筆修正)

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