ボツリヌス毒素が効かない…それは免疫が原因

ボツリヌス毒素の作用機序
目次

ボツリヌス毒素注射(ボトックス)

眼瞼痙攣(けいれん)の治療の第一選択(まずはじめに選ぶ治療方法)です。

けいれんを起こす筋肉を麻痺させます。その結果、まぶたのけいれんが弱まります。

関連記事:『眼瞼けいれんの症状、所見、原因、対処法など』

ボツリヌス毒素が効かない人が一定数いる!

気休め程度にしか効かない人がいます。

その原因が「免疫」です。

ボツリヌス毒素はボツリヌス菌が作り出すタンパク。これをターゲットに抗体(排除する働き)が作られ、ボツリヌス毒素を無毒化(中和)してしまうのです。

ボツリヌス毒素に対する免疫獲得

実は「ボツリヌス毒素に対する免疫を獲得してしまう問題」はすでに知られています。長い年月ボツリヌス毒素にさらされることで、毒素に対する抗体ができるわけです。(美容に使われるボツリヌス製剤も抗体のできにくい、より良い製品を開発しています。)

しかし、今までボツリヌス毒素の治療を受けた経験がなくても、効果が表れない患者さんがいるのです。

「バイオ医薬品のハードル 薬を排除する免疫」

初めからバイオ医薬品が無効な患者がいる

難病、がんなどの治療の困難な病気に対して「バイオ医薬品」が多く開発されました。

従来の治療方法で改善が難しかった病気が治るのです。福音です。

しかし、どうしても効かない患者さんがいるのです。もしくは半年ほどかけて効かなくなってしまう。

その正体が「免疫」です。

あなたもワクチン接種しますよね。(インフルエンザ、B型肝炎、日本脳炎などなど)時に複数回。ワクチン接種によって異物(病原体)に対する免疫が出来るわけです。しかし、この働きが裏目に出てしまうのです。

タンパク質であるバイオ医薬品を攻撃してしまい、薬の効果が失われてしまうのです。投与された人の半数に抗体が生じたとの研究もあります(薬の効果が低下したかどうかの評価はまだ)。薬剤というのは繰り返し投与されるものです。免疫が出来るのは時間の問題とも言えます。

思えば10年前に某神経内科医師が言っていたのを思い出します。「ボツリヌス毒素に対する抗体(免疫)は必ずできる。ただし、抗体が毒素のどの部位に結合するか、で無効化されるか薬効が残るかバラツキがある。」とのことでした。

「免疫」を無効化するテクノロジーを目下研究中とのことです。いわゆる「免疫寛容」です。

一方、「免疫寛容」を誘導しないやり方もあるようです。免疫応答そのものをブロックする、RNAi(特定のタンパク合成を阻害する)を用いたシステムも開発中だとか。

眼瞼下垂ガイド
WEBでお問い合わせ

お問合せフォーム

2-3日以内を目処に回答します。迷惑メールに入ってしまう場合もございますので、4日以上返信がない場合は再度お試しください。

LINEでお問い合わせ

2-3日以内を目処に回答します。

診療カレンダー

目次