予定外重瞼線といいます。
術直後は徴候が全くみられないのに、しばらくすると現れる「予定外重瞼線」
原因は先日も書きましたが、
- 挙筋の動きの伝達が悪い:挙筋の動きが弱い
- ミュラー筋の方が動きが強い:相対的に挙筋の動きが遅れるから
- まぶたのボリューム不足:手術による軟部組織の処理も原因
- 術後の腫れが強かった場合
- もともと癖の強い二重の線がある場合
ということでした。
予防する手段として
- 手術の追加術式としての「袋とじ法」
- 手術の追加術式としての「吊り上げ法」
- 術後の挙筋トレーニング
があります。
しかし、それぞれに患者さんの負担もあります。上に掲げた「予定外重瞼線の予防法」は基本的には行わない、もしくは指導を行なっていません。術直後から明らかに予定外重瞼線が認められる場合に「予防法」を行うことがあります。
しかし予定外重瞼線の徴候が見られない場合でも日が経ってみると現れてくることもあります。自然に軽快することもありますが、残ることもあります。
残った場合はこれを修正する場合もあります。
こんにちは、形成外科専門医の金沢です。眼瞼下垂手術の後にふたえの線が乱れることがあります。三重(みえ)になったり、ふたえの谷間が浅くなったり。自然に治ることもありますが、手術的に治す必要がある場合もあります。まぶた術後の[…]
実際のモニター患者さん
術前の評価
- 腱膜性の眼瞼下垂
- 幅広のふたえのラインの癖が強そう
- このふたえ幅のままで仕上げるのは困難
- もう少し幅の狭いふたえを作りたい
いちばんの問題は仕上がりを予想しにくいこと。
まずはシンプルに挙筋の修復を行いました。余計な手技は混乱の元😓
眼瞼下垂症手術:挙筋前転法
もとのふたえのラインを残すのは難しいので、新たなふたえのラインを作りました。
「挙筋前転法」とは言え、無理に前転はしません。緩んだ腱膜の固定を行うだけです。術中写真です。縫合糸で挙筋腱膜と瞼板とを連結している場面です。白い挙筋腱膜が広く観察されます。無理に前転をしていない証拠です。
刺激のある写真なのでモザイクがかかっていますが、クリックやタップで元画像がご覧になれます。
「頑固なふたえのラインがいやらしいなあ。」「余計なラインの原因になりそうだなあ。」でも手術終わって見たら「大丈夫そうだぞ!」
と思ったらやっぱりダメでした。
結果、右まぶたに予定外のラインが現れました。悔しい😭
ご本人は「このままで良い」とのことでしたのでそのまま経過観察しております。
あなたはこの「余計なライン」受け入れられますか?