先日示したように、上眼瞼の厚み(皮膚や眼輪筋、脂肪など)が大きい人は上眼瞼リフトは良い手段となります。上眼瞼リフトだけでも視野の改善や開瞼努力の軽減などが得られることもあります。
一方、上まぶたのボリュームが多いからと言っても、眉下の皮膚切除でなく、通常の眼瞼下垂症手術の皮膚切開からのアプローチが良い場合もあります。
挙筋のチカラが伝わっていない腱膜性眼瞼下垂症の場合や皮膚の垂れ下がりが顕著な場合です。
- 厚みのあるまぶた
問題です。
このケースでは、どちらが適応でしょうか?通常の下垂手術か、もしくは眉下切開の上眼瞼リフトか?

私は、眉毛下皮膚切除では限度があると考えました
通常の眼瞼下垂症手術(+皮膚切除、ROOF;眼輪筋下脂肪の減量)を行いました。一年後。
「正面を見て、目を閉じて、目を開けて、下を見て、上を見て、正面を見て、目をギュッと閉じて、目をギョロッと大きく開けて」と指示しています。
*視野が狭まると頭位を固定した状態で上下を見るのが困難になります。(特に高齢者は頭を動かさないと上下を見ることができません。目が引っ込んで奥目になることも原因と思われます。)
「上眼瞼リフトを行ったら、はたしてどのような結果になったか?」というのは今でも考えます。
皆さんはどう考えますか?
※眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます😊
尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。