眼瞼下垂を目薬で治す。手術はもう不要か?後天性眼瞼下垂治療薬をライセンス契約

眼瞼下垂を目薬で治す

目薬さすだけで眼瞼下垂が治るって信じられますか?

「治ることはないでしょう。構造的な破綻現象なんだから…」って思ったらどうやら治るようです。

一時的ですけど…

目次

点眼(目薬)で眼瞼下垂を治療

参天、米オスモティカから後天性眼瞼下垂治療薬を導入

AnswersNews – 製薬業界で話題のニュースがよくわかる(https://answers.ten-navi.com/pharmanews/18893/)

Santen と Osmotica 子会社の RVL Pharmaceuticals 社
後天性眼瞼下垂のファースト・イン・クラスの治療として開発中の RVL-1201 について
日本・アジア・EMEA における独占的ライセンス契約を締結

参天製薬プレスリリースより(https://www.santen.co.jp/ja/)

点眼で下がったまぶたを治療。

Osmoticaは「Upneeq」(アップニーク)という製品名でFDAの認可を受けました。参考:https://www.drugs.com/history/upneeq.html

Oxymetazoline Hydrochloride オキシメタゾリン塩酸塩

αアドレナリン受容体に作用する交感神経作動薬。

末梢血管の収縮作用があります。耳鼻科領域では鼻詰まり、眼科では目の充血に用いられます。wikipedia

この点眼は、ミュラー筋に作用して眼瞼の挙上を助けるのでしょう。

「目の充血を治す点眼でまぶたが挙がる」現象は、以前記事にしました。

あわせて読みたい
目薬で目が大きくなる?眼瞼下垂が治る?それは血管収縮剤が原因 「目薬をさすとまぶたが挙がるんです」 そう語るのは、まぶたが下がった眼瞼下垂の患者さん。 その場で点眼してもらいました。確かに目が大きくなりました😳wow! 点眼薬...

α受容体が刺激され、ミュラー筋が収縮します。その結果、眼瞼挙筋も収縮します。

ホルネル症候群の患者さんが「白目を白くする」目薬をさしたら、パチっと目が開いたんですよね。

神経生理学、薬理学的に納得の得られる作用機序(メカニズム)です。

私個人は、フェニレフリンという、交感神経作動薬を試しに点眼したことがあります。眼瞼挙上効果はイマイチ分かりませんでした。フェニレフリンは、眼瞼下垂診断に用いられていたことがあります。散瞳するので気持ちの良いものではありませんでした。眼瞼下垂の人でこの点眼によく反応する人がいます。

日本での臨床研究はこれから?

効果は期待できます。

アメリカでの治験のステップ(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT03536949)。

耳鼻科領域や眼科領域で使われているこの薬剤。効果時間は長くありません。鼻の粘膜の浮腫をとる時間や充血を解除する時間も限定的です。

副作用として、薬効が切れた後の反動で血管拡張が起こることが指摘されています。(その点で連続使用を避けるよう説明されます)

反跳性充血または薬物性鼻炎が起こることがあるので、3日を超える連用は避けるべきである[11]。それ以上連用した場合は依存性が形成されることがある。

wikipedia

日本の耳鼻科眼科で使われるオキシメタゾリン塩酸塩は0.05%。その2倍の濃度。

果たして1日一回で効果は持続するのか?個人的には厳しいと思います…連日使用可能なのか?個人的には厳しいと思います…

気になるところですね。

眼瞼下垂を根本的に治す治療ではない

薬効が切れれば、元に戻ります(もしくは反動で以前より悪化もある?)。カンフル剤、ブースター、ゲームの世界ではニトロ?のようなもの。

今日はしっかり運転しなきゃ、仕事に集中したいなど、特定のタイミングに合わせてまぶたの機能を一時的に回復させるといいかも?

もしくは、

写真撮影がある。とか何かのイベントに参加など…見た目の問題を解消する目的で、ここぞという時に使用するのもアリかもしれませんね。

いやあ、でも楽しみです😙

追記:使用体験談

アメリカで販売が始まった『Upneeq(オキシメタゾリン塩酸)』を点眼している人の話。

片側の下垂でそちらのみ点眼。眼瞼下垂改善の効果が6〜8時間持続(予想以上!)するそうです。

リバウンド(効果が切れて反動の充血と下垂)は起きるとのこと。まさにシンデレラですね。

そしてもうひとつ。点眼した側の瞼が挙上されるが反対側が下がるとのこと。シーソー現象(ヘリングの法則)が観察された様子。

Twitter情報

眼科医の視点からのコメントです。参考になります。

まとめ

以上、

  • 日本にも眼瞼下垂を治す点眼薬がくるかもしれない
  • メカニズム
  • 目薬の効果の限界の予想

を提示しました。

さて、あなたは、

  • その薬が発売されたら試してみたいですか?
  • 治験を提案されたら、自分が実験台になってもいいですか?
  • 効果があったらずっと使い続けますか?

参天製薬さん、頑張ってください。

メモしておいてね
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ブログ拝見させていただいて参考にさせていただいてます。

    色々な眼科、形成外科、美容クリニックとカウンセリングは受けましたが不安と疑問が残り、ここにたどりつきました。
    もし手術をするのであれば、先生にお願いしたいと思っています。
    眼科でも、眼瞼下垂と診断されています。
    私は緑内障の手術を受けており、右目の視野がかけていて、
    普通にしていても、午後になると疲れ、窪み目、三重、四重、となり頭痛や疲れると痙攣があったりと悩んでいます。
    郊外に住んでいますので、先生の診察をどこで受けたら良いのか悩んでます。
    保険でいい先生の治療を受けられたらもちろんのことですが、ダウンタイムや、術後の不自然さなどを考えると、保険と自費の違いなど同じ先生でも違うものなのでしょうか?
    美容目的でなく、今の二重を変えたくなく、変わらないようにしたいのです。個人差はあるでしょうが、不自然な感じがイヤなだけです。
    いい方法はありますでしょうか?

    • まずは眼瞼下垂の治療に慣れている医師の診察を受けることです。そこでよく相談しましょう。

      私の診察は契約している医療機関ならどこでも可能です。

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