顔面神経麻痺後遺症のマブタ治療

「顔面神経麻痺」がある日突然生じることがあるって信じられますか?

ベル麻痺(Bell麻痺)やハント症候群(Hunt症候群)と言われます。片側の顔の筋肉が麻痺し、動かなくなるのです。うがいで口に含んだ水がこぼれたりして「あれ?おかしいぞ?」鏡を見て愕然とします。

通常は耳鼻咽喉科で治療を行います。

順調に麻痺が回復すればいいのですが、回復が思わしくなかった場合、再生神経の過誤支配などが生じます。目と口が同時に動く(病的な共同運動)やこわばり(表情筋の拘縮)が生じます。

この病態が生じると自然軽快は難しいです。病気でない側(健側)の眉が過剰に挙がるなど、顔貌の左右差が問題になります。

以下は私が顔面神経研究会で報告したものです。

拘縮を起こした眼輪筋を減量しつつ、腱膜固定を行います。結果、病気でない側(健側)の過剰な眉の挙上が改善し、左右差の改善が見られます。

なぜ、腱膜固定を行うのか?

ヒトは成長に従って次第に腱膜が薄くなったり、外れたりして腱膜性眼瞼下垂の病態が少なからず進行しているからです。麻痺側の眼輪筋の拘縮や病的共同運動により、マブタが重くなって、健側の眉が過剰に挙がります。この負担を減らすのが腱膜固定の意義です。

(2015年7月5日修正)

Hunt 症候群後遺症による瞼裂狭小化に対する外眼部手術 : 腱膜固定による眼瞼下垂症手術の併用

Surgical Treatment of Facial Synkinesis and Contracture following Facial Nerve Palsy : Effects of Blepharoplasty with Aponeurotic Fixation
: Facial nerve research 30, 103-105, 2011-12-20 

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