「眼瞼下垂の手術を片方だけしても大丈夫?片方だけ整形した目になってしまわない?」
まぶたの手術をしたあとが目立つかどうか?はとても気になる要素です。特に左右どちらかの手術をした場合、左右差が目立つことはないでしょうか?今回は片方のみ手術をしたモデルさんを見てみます。
右か左どちらか一方のみの手術後です。手術した側が右か左か、分かりますか?
片側の眼瞼下垂症の診断で、片側の眼瞼下垂症手術を行い、6ヶ月経過。
どちらが手術側か分かりますか?
いわゆる「美容整形しました」という形にはなりませんでした。
なぜ左右差が目立たないのか?
片方だけの手術で目立つかどうかはケースバイケースです。左右差が目立ちにくいポイントは…
- 元々二重まぶた
- 皮膚がしなやかで色白
- 皮膚切除や脂肪・筋肉の減量などオプショナルな手技が不要
です。ある程度の年齢の方や厚ぼったい一重まぶたの方は難しいということです。
このモデルさんは上の条件を満たしていたため、目立ちませんでした。
片側手術のデメリットは?
- 上の条件に合わないヒトは左右差が顕著に現れる
- 術後の腫脹・むくみが強い時期は左右差が目立つ
- シーソー現象(ヘリングの法則)が起こり、反対側の眼瞼下垂が顕在化し、結局そちらも手術適応になる可能性がある。
デメリットが強く出ることが予想される場合は両側手術が適応になります。
このモデルさんもへリングの法則が起こることは懸念されました。もう片方の眼瞼下垂が顕在化した場合は、もう片方も手術適応になるところでした。結果、へリングは生じませんでした。セーフ。
モデルさんを見てみます。
冒頭の左右どちら?の問題に対する答えは…
「左」でした。
これだけ傷が目立たないのもこのモデルさんの体質に助けられた部分もかなりあります。
- 年齢:**
- 性:女性
- 手術:左側の挙筋腱膜修復術
- 皮膚切除:なし
- 脂肪切除:なし
- lateral horn リリース:half
- 下位横走靭帯:なし
- 挙筋腱膜の滑り:0 1(2)3 4
- 挙筋前転:微量
- ミュラー筋処理:なし
- 手術時間:28分
※眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます😊
尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。