こんにちは、金沢です。
まぶたのミュラー筋にある固有知覚とは?そもそも固有知覚とは何でしょうか?まぶたの固有知覚は何をしているのでしょうか?
固有知覚とは?
ざっくりいうと
- 固有知覚は自覚できない感覚
- 筋肉の負荷の度合いを測るセンサー
- その知覚を中枢に送って身体の反応を呼び出す
感覚には
- 意識できる感覚(五感:視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚)
- 意識できない感覚(固有知覚、平衡覚)
があります。
固有知覚(proprioception)は固有感覚、深部感覚、深部知覚ともいいます。
固有知覚は身体の動きを制御
筋肉、腱、関節などにあり、伸展刺激を通して筋肉の緊張などを感知し、姿勢や運動を制御します。
たとえば、脚気の検査の膝蓋腱反射はご存知ですか?ひざ下の固有知覚を刺激して大腿四頭筋を反射的に収縮させているのです。
たとえば、握手をしている時にとっさに腕を引っ張られたら?ぐっと引っ張り返す反射が起こりますね。筋肉が引っ張られるから、筋肉を収縮させて抵抗します。
たとえば、重いモノを持ち上げる時はグッと力が入りますね。筋肉を収縮させても初めは動かないので固有知覚受容器が引っ張られます(伸展される)。その結果さらに大きな収縮が起こります。デコピンも同じメカニズムかな・・
固有知覚のもう一つの役割、脳の覚醒
脳を覚醒させ、交感神経を刺激して、身体を奮い立たせます。
- ジェンドラシック手技
- ぴょんぴょん跳ねる
- 貧乏ゆすり
- 噛みしめ
- 天井を見る
と行った行為は固有知覚を刺激して脳の覚醒レベルを上昇させ、身体を賦活します。
格闘技やウェイトリフティングの競技直前に有効ですね。あ、ラジオ体操なんかも目覚めをよくしますね〜
ジェンドラシック手技とは?
左右の手を組んで「フンッ」と互いに引っ張ることです。手の虫様筋には高密度に筋紡錘(固有知覚受容器)があり、これを刺激すると身体の筋緊張が亢進します。
まぶたにも固有知覚がある
ミュラー筋と結膜固有層に伸展刺激を感知するセンサーがあります。関連記事:『ミュラー筋の場所』
一方、眼瞼挙筋にはセンサーがありません。したがって、眼瞼挙筋と直列につながるミュラー筋と結膜固有層が、眼瞼挙筋の緊張を知るセンサーとして働くことになります。
眼瞼挙筋に緊張が生じれば反射的に眼瞼挙筋が収縮する
四肢の骨格筋と同じメカニズムです。
「目を開けるぞ」と意識をするとまず眼瞼挙筋の速筋が収縮します。
↓
ミュラー筋の伸展受容器(固有知覚センサー)が刺激されて脳幹へシグナルが出ます。
↓
反射で眼瞼挙筋の遅筋が収縮します。
↓
目を開け続けることができます。
まぶたに力を入れれば、覚醒レベルが上昇
まぶたのセンサーが刺激されて脳が覚醒し、身体に力がみなぎります。
- 顎を引いて上を見る(眼球上転)
- 眉間にしわをよせて、睨む(眼輪筋と眼瞼挙筋の綱引き)
格闘技とかこれやりますね。逆に緊張を取りたい時は下を見ますね
以上がまぶたのセンサーのお仕事でした。
加齢によってまぶたが構造的に壊れてくると、センサーの機能が落ちたり、誤作動を起こすようになるんですね。これを修復するのが機能的眼瞼下垂症治療です。