眼瞼下垂手術後のリハビリテーションって?キーワードは「可動域:Range of Motion」です。
想像してみてください。
あなたは脚をポキリと骨折し、ギプス固定を3週間行いました。長かった。。。そして、ついにギプスを外す瞬間がおとずれました。アナタの足首は曲がるでしょうか?
ギシギシ…
そうです。こわばって動かなくなるのです。しかしそこからリハビリテーション、つまり動かす運動をすることによって、動きの幅が回復します。
まぶたも同じ。せっかく手術をしても、まぶたを動かさなかったら動きにくくなります。
眼瞼下垂術後のリハビリテーション
術後のまぶたの可動域を広げるリハビリテーション。必要な人は以下の人です。
- 術前の下垂の度合いが強かった人
- 術後のまぶたを刺激したくないという思いが強い人
- 40歳以上の人
- 人とコミュニケーションを取る機会が少ない人
- 他院修正後
術後のまぶたを安静にして放っておくと、動かない状態でまぶたが固まってしまうのです。錆びついてしまいます。
抜糸(術後1〜2週間)後から積極的にまぶたを動かしましょう。「まぶたを閉じる」ところから最大限まぶたを持ち上げた「強開瞼」をするところまで。
やり方は挙筋トレーニングと同じ。関連記事:『挙筋トレーニング』(内部リンク)
ターゲットはまぶたの皮膚とまぶた内部の組織。これらが運動に合わせてフィットしてきます(月日がかかります)。
伸びるべきところは引っ張られて伸びてきます。そしてしなやかさも出てきます。そうすることで、フルの幅で運動が可能になるわけ。(皮膚は力学的要求に応えて変形するという法則がある)
まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋は、まぶた内部を滑走しています。ベロっと出てきて、滑り込んで、を繰り返すCDトレイ、あるいは棚の引き出しをイメージしてください。使わないでいると、錆びついてスムーズに出し入れできなくなります。(体の骨格筋と同じですね)
もうひとつメリットがあります。浮腫(むくみ)が改善します。手足の外傷後の固定で、むくみがひどくなる人をたくさんみてきました(動くようになると改善)。左右差のある眼瞼下垂手術でも、動きの弱い方はむくみが遷延するんです。
他方、逆にリハビリを必要としない人もいます。上のリストの逆です。生活上多くの人と交わるタイプの人は表情をよく使いこなすので、普段の生活がリハビリになります。加えて、眼瞼挙筋が強すぎるタイプの人にも、リハビリはオススメしません。
挙筋スイッチを入れるトレーニング(挙筋トレーニング)です。鏡を前に置いてください。
(1)まず、おでこの力を抜きましょう。そして目を閉じます(下を見るでもOK)。
(2)顎を引いて正面、上を見ます。3秒キープ。
1セット3回。これを一日3回。これだけです。
うまく挙筋を動員できない場合は眉が上がらないように指で支えてもいいでしょう。


もともとまぶたが大きく下がっていた人は、まぶたを開く時に抵抗を強く感じるでしょう。無理もありません。今までその動きに追従したことがないのですから。
例えると、「購入したばかりの新品の皮のグローブ」です。使い込むプロセスで徐々にしなやかに適応してきます。
このプロセスは、高齢ほど時間がかかります。若い人はもともと組織が伸び縮みする「スウェット生地」。一方、中年以上はジーンズのように固い生地になっています。慌てても仕方ありません。ゆっくり新しい動きを獲得しましょう。
こちらは最新版
片手でできます。親指と人差し指で眉の動きをブロックして、手のひらを見上げます。
PDFファイル(ダウンロードしてプリントしてご利用ください). ※まぶた内部ストレッチは後転手術で使用します。
あとがき
明日のニューヨーク・シティ・マラソンを控えて高鳴る鼓動。
練習しなければ走り切ることはできません。
「身体を動かさなければ、身体は動かない。動かせば動く」という、トートロジー。まぶたも同じ。


