肌は5ミリ場所が違えば厚み、色、キメ、質感全て異なる
皮膚は、睫毛(まつげ)から遠ざかるほど、厚みが増します。まぶたの色素沈着が濃い人でも眉の中の皮膚の色は白色です。
肌のキメ細かさや質感も同様に異なります。
眉下切開をする場合、上下方向に5から15ミリ程度の幅で皮膚切除をします。そして眉側の皮膚と睫毛側の皮膚を縫い合わせます。
その皮膚の性状のギャップが、きずあととして認識されやすくなります。皮膚切除幅が大きいほどギャップが大きくなります。
実際の患者さんモデルを見てみます。
まぶたの縁が眼瞼挙筋でしっかり上がります。まぶたの前葉(表側)がまぶたの縁を覆うように被さります。
通常の重瞼部分からのアプローチか、眉下切開が適応になります。
今回は「キズはあまり気にしない」という太っ腹なご意見より、眉下切開を選択しました。
普段は眉毛がきずあと(瘢痕)にまたがるようにかぶさります。そのためにきずあとはほとんど目立ちません。このキズを指摘できた人がいたら相当な観察眼の持ち主と言えるでしょう。
この写真のように眉を持ち上げるときずあと(瘢痕)は顔を出します。
睫毛側の皮膚がやや黄色がかっています。そして、眉毛のうぶ毛が、縫合線を境に消失しています。
傷あとが目立たないようにする対策は?
女性はメークをするのがベストです。したがって、普段の眉メークの縁に沿った切開デザインにします。
男性はある程度自然に眉を伸ばしてカモフラージュしましょう。
女性は注意が必要!
実は、この手術の後に眉の位置が変化(眉が下がる)ことがあります。その結果、術前に眉を描いていた位置もより上方(頭頂側)に眉を描くことになる場合があります。
その結果…眉メークと切開瘢痕が離れてしまいます。
今後はこれが課題です。
女性は眉が落ちすぎないほうが良いので眉上切開も考慮されるべきでしょう。
この度は眼瞼下垂症啓発目的に写真使用にご承諾いただきました。ありがとうございました。皆様のご協力のおかげで皆様に情報をご提供することができます。(埼玉県の患者様)