手術で皮膚を切ると、<ruby>傷痕<rt>きずあと</rt></ruby>ができます。そしてしばらく硬く、赤くなります。すべての部位の皮膚で、切開した傷は例外なく赤く硬くなる時期があります。
半年から1年程度経て、もとの肌色と柔らかさを取り戻していくのです(傷は残ります)。
傷が治るプロセスで起こる反応
傷が治るプロセスで、コラーゲンの塊が形成されます。組織を修復する細胞たちが集まってくるのです。足場が建設されて、そこに人材やショベルカー、ブルトーザーがやってきます。この時期が赤く、硬くなる時期なのです。みんなで「わっしょいわっしょい」と復旧作業をするのです。
組織が修復されると、コラーゲンの塊は分解され、土建業者は見当たらなくなり、落ち着きを取り戻していきます。
まぶた手術の場合
まぶたの手術の場合も例外に漏れません。かならず傷は赤くなります。
目周りは「見た目」に大きく影響するので、傷の赤みの強いときはナイーブになりますね。
上まぶたの場合、傷は<ruby>二重<rt>ふたえ</rt></ruby>の谷に合わせます。すると目を開けているときは引っ込んで目立ちませんよね。
ところが下まぶたの場合はどうでしょう?
そうです。残念ながら隠すことができません。思い切り露出してしまうのです。だからひたすら待つしかありません。。
「若い人ほど赤みが長引く」
こう言うと多くの人に驚かれます。「若いから回復が早いはずでは?」ってね。残念ながら「逆」なんです。高齢な方は比較的早く傷の色が落ち着いていきます。若い人の方が土建業者の血の気が多いのです。もちろん個人差も大きいです。
実際のモデルケース
下まぶたの<ruby>睫毛内反<rt>しょうもうないはん</rt></ruby>症(さかさまつげ)です。まつげが眼球にあたり、目の表面を刺激します。生まれつきの障害。
関連記事:『逆さまつげ(睫毛内反:しょうもうないはん)の原因、治療法、治療法の問題点は』
目のしょぼしょぼ感、痛みがあります。自分で睫毛を抜いたり、コンタクトレンズで目の表面を保護してしのぎます。
眼科医により、角膜のキズを指摘され、手術治療の必要性を説明されます。
この患者さんも「逆さまつげの手術」をしました。若い若い患者さんですから、赤みが続くことは想定済み。とは言え、半年経ってもまだまだ赤みが残っています。つらいですね。
どうか失望せず、待ってください。必ず赤みは退いてきます!
睫毛内反(逆さまつげ)でお悩みのかたのために、写真を使用することを承諾いただけました。心より感謝申し上げます。(埼玉県の患者さん)