腱膜性(退行性)眼瞼下垂は構造の破綻現象。
年月の経過とともに徐々に進行します。下垂の進行スピードは、左右でまあ同じくらいです。
しかし、生まれつきの左右差や、まぶたを擦る習慣に左右差があると下垂の進行に左右差が生じるのです。
もともと左右差のある眼瞼下垂について
左右差があると下垂が顕在化しやすく、自覚が早くなり、幸運?にも治療の機会が早く訪れます。そういう意味ではラッキーかも?
実際の患者さんモデルでbefore and afterと動画を御覧ください。

右の下垂は一目瞭然ですが、実は、左も眼瞼下垂があると判断しました。
本ケースの治療の手順として、2つの選択肢があります。
(1)右の下垂の治療を先にする。後日、左の下垂の程度を評価して左の治療を行う。
(2)左右同時に手術治療を行う。
の選択肢があります。
各々のメリット・デメリット
(1)いちばんの利点は、右の治療後に左の治療は不要と判断すれば、それで終わりでOKとなります。つまり片方だけで済むので負担も半分。人前に出る職業の人は眼帯でカモフラージュできるメリットもあります。
欠点はデザインで制約を受けることです。手をつけない方のまぶたのカタチ(ふたえの谷間の高さ)に極力合わせる必要があります。特に一重(ひとえ)まぶたの人は左右を揃えるのが困難です。
また、術後に左右の目の大きさが逆転する可能性(シーソー現象)があります。関連記事:『ヘリングの法則』
もう片方の手術が必要となった場合、先に手術した方のデザインと100%同じに出来ないことです。これは皮膚は伸び縮みする組織だからです。定規で測定してデザインを記録したとしても、月日が経過すると変わってしまうのです。つまり再現性にも乏しいと言えます。
もうひとつの欠点は結果的にもう片方の手術が必要になれば、その分のダウンタイムが必要になることです。
(2)左右同時の場合はダウンタイムをまとめることができます。デザインも自由度があります。一重まぶたの人は二重(ふたえ)に出来ます。目視でデザインの左右差を確認できます。
欠点は、必要以上の治療になっている可能性が捨てきれないことです。
この度の患者さんは、
「右の治療をすると左の眼瞼下垂が顕著に表れる(感じられる)」と判断しました。そこで左右同時手術を選択されました。なお、この時点でも「右だけ手術を受ける」という選択も十分にあり得ます。
手術所見
- 眼瞼挙筋は健康そのもの。
- 右のほうが開瞼抵抗が発達していた。
- 開瞼抵抗を外しつつ、破綻した構造を修復。
結果、イキイキとした明るい目になりましたね。さらに、まぶたを開ける努力が不要になるのがよくわかります。しかし、この選択が正解だったかどうかは不明です。この点は注意ですね。
左右差のない眼瞼下垂も、左右別々の時期に治療を行うこともあります。関連記事:『眼瞼下垂の手術は片方ずつ?左右同時?(両目手術が適応の場合)』
片方だけの手術をしたケース

患者さんの訴えは左の眼瞼下垂。
右の治療を同時にする選択もありますが、患者さん自身に心の準備がないことが多いのが現実。まさか正常に見える方も手術するなんて、想像すらしていないわけ。
このような場合は、シンプルに左だけを手術します。そして結果的に左右差が逆転します。
これはこれで、あらかじめ説明しておけば、患者さん自身は納得します。このケースではここで治療はいったん終わりにしました。しばらく様子を見たいとのことです。
「右が辛くなったらまた相談してくださいね」といってお別れでした👋
ところで、
「やっぱり右の治療をすぐにしたい」
そう願う患者さんもいます。その場合は、右の治療スケジュールを改めて相談することになります。
そんな流れでも、患者さん自身は納得されます。怒る人はいません😀
【眼瞼下垂手術費用の目安(両目)】 ・保険適用:1〜5万円程度 ・自費診療:35〜77万円程度
【眼瞼下垂手術のリスク・合併症】 ⚠️ 短期:腫れ / 出血 / 感染 / 傷の離開 / 閉瞼不全 / 視力変化 / 左右差 ⚠️ 長期:眼脂・涙の増加 / 眩しさ / 赤み / 稗粒腫 / 糸の露出 / 違和感 / 瘢痕 / 低・過矯正 ⚠️ 仕上がり:眉毛下垂 / 顔貌の変化 / 再発 / 眼瞼けいれん
