「眼瞼下垂の手術の効果は何年持ちますか?」
よく聞かれる質問です。
これに対して、はっきり「何年」と回答することができません。
手術をしたその日から、まぶたはジワジワと劣化していきます。顔面骨も萎縮し、眼球も落ち窪んで行くでしょう。
若くて目がぱっちりしていた時を「10」とし、まぶたが下垂しきって完全に目が閉じてしまう状態を「0」と定義します。加齢とともに「0」へ近づいていきます。もっとも100歳まで生きても「0」に到達する人は稀で「2」くらいまででとどまるでしょう。
眼瞼下垂の手術をする直前が「5」であれば、手術直後に「8」位になります。そこから再びエイジングが始まるのです。
「8」「7」「6」「5」という具合に。
なぜなら骨格含めて顔のエイジングは進むからです。
では、手術は意味が無いでしょうか?
いいえ。
手術をしていなければ「5」から「4」「3」と進行しているはず。だからその「差分:3」の効果はずっと続いていると考えていい。
だから、「何年持つ」という表現ができないことがお分かりいただけるでしょう。
少なくとも「○ニータイマー」のようにある日突然その日が訪れるということはありません。
徐々にパワーが落ちていくイメージで良いです。
人工関節のような素材に依存しているわけでもないので、素材の耐用年数などもありません。
まぶた手術後の眼瞼下垂の進行を抑える
なるべく長持ちさせるためにも、まぶたへの負担を減らしましょう。
目を擦らないように愛護的にまぶたをケアしましょう。
そうすればまぶたの劣化スピードを抑えることができます。
一方、目をこする癖が治らなければ、ほんの数年で元どおりということもあり得ます。
再び視野が狭くなったら?
再び眼瞼下垂状態になったら手術を検討することもできます。ただし30代の目の大きさを求めないようにしましょうね。実は加齢とともに目が沈み、横幅も小さくなります。横幅を手術で広げる事はできません。したがって縦横の比率を守るためには縦幅も比例して小さくなる必要があります。横幅は小さくなる一方なのに縦幅だけキープしたら縦長の目(ドラミちゃん)になってしまいますから。
さて再手術にあたってのポイントがあります。それは初回の手術の術式をしっかりと記憶(記録)しておくことです。
さしあたって、
- 執刀したのは形成外科医か眼科医か?
- 挙筋前転か?ミュラータックか?
この点を明らかにしておきましょう。
もしくは、「誰に手術をしてもらったか?」だけ分かると心強い情報になり得ます。この情報だけでもある程度憶測することも可能です。
終わりに
「何年もつ」という表現が難しいということ、お分かりいただけたでしょうか?
改造人間になるわけでもないので耐用年数という設定はありません。困った時が治療のタイミングと思ってください。