眼瞼下垂手術を受けるなら、まぶたの前葉・後葉を理解しなくてはならない アニメGIFつき

眼瞼下垂診療で毎度説明差し上げる項目になっています。それはまぶたの厚みです。

「眼瞼下垂の手術をしたのに、たるみが残ってる😤」というのも事前の理解不足が引き起こす訴えです。

これを理解せずに手術をうけてはいけません。

自分がどのタイプの眼瞼下垂かをあらかじめ知る必要があるのです。

それによって、どのような手段があるのかが決まります。と〜っても大事な話です。

今回の記事では、まぶたの構造(前葉と後葉)、前葉下垂と後葉下垂について。そしてそれぞれに対する治療法を説明します。

まぶたの前葉と後葉とは

まぶたは2枚の層から成り立ちます。前葉は表側、後葉は後側(奥)です。

前葉(anterior lamella)は、皮膚と眼輪筋と隔膜後葉(posterior lamella)は瞼板、眼瞼挙筋、ミュラー筋、瞼結が含まれます。

まぶたの前葉と後葉
二層になる

前葉と後葉の違いのイメージを表にしました。

前葉後葉
外側内側
外皮内皮
雨戸
外構の壁家の壁
上着下着
outer shell (layer)inner shell (layer)
浅い深い
表側裏側(奥側)
外殻内殻

つまり目は2枚の層を重ね着しているのです。

そして目を開ける時(まぶたをあげる時)は両方の層が持ち上がる必要があります。

前葉は、前頭筋もしくは挙筋腱膜が持ち上げます。ひとえまぶたは前頭筋(おでこの筋肉)が持ち上げます。ふたえまぶたの場合は挙筋腱膜が前葉の下半分を持ち上げます。

後葉は、眼瞼挙筋(ミュラー筋)が奥へ引っ張り持ち上げます。

 

ひとえまぶたの場合

ひとえまぶたの場合前葉後葉とは連動せず、おでこの筋肉とまぶたの奥の筋肉との共同作業(ハイブリッド)で前葉と後葉とを別々(別方向)に持ち上げます。

ひとえまぶた
前葉と後葉とは別々に持ち上がる
ひとえ開閉瞼シンプル
前葉と後葉は別々に動く

ふたえまぶたの場合

ふたえまぶたの場合は眼瞼挙筋がまぶたの前葉(の下半分)を引っ張り持ち上げます。前葉と後葉は連動して一緒に動きます。

ふたえまぶたは前葉と後葉は連動

ふたえの開閉瞼
前葉と後葉は連動
埋没法などでふたえを作る場合、前葉と後葉とを物理的にコネクトさせることによって前葉と後葉を連動して一緒に持ち上がるようにするわけですね。
以上が前葉と後葉でした。

眼瞼下垂には前葉下垂と後葉下垂がある

前葉下垂タイプ:前葉が垂れ下がったタイプ。偽性眼瞼下垂(下記参照)

後葉下垂タイプ:眼瞼挙筋が機能しなくなった、真の眼瞼下垂

眼瞼挙筋とは、まぶたを引っ張り持ち上げる筋肉。目の裏側から目の上を回り込んでまぶたの縁につながります。この筋肉が収縮すると、まぶたが奥へ引っ張り持ち上げられます。

眼瞼挙筋の仕事
眼瞼挙筋がまぶたを引っ張り持ち上げる

まずは真の眼瞼下垂=後葉の下垂

眼瞼挙筋が弱くなる、もしくは連結が緩むと眼瞼下垂になります。これが真の眼瞼下垂。後葉の下垂です。

下のイラストは腱膜性眼瞼下垂。挙筋のチカラは正常ですが、連結が緩くてまぶた持ち上がらない様子です。

眼瞼下垂
腱膜性眼瞼下垂
真の眼瞼下垂
後葉が垂れ下がる

後葉を持ち上がることができません。上まぶたの縁が黒目の半分までかぶさってきます。

治療としては、後葉を持ち上げられるようにする必要があります。つまり挙筋前転法です。

後葉、まぶたの中(奥)を修復するのです。

腱膜性眼瞼下垂の治療前後
実際の治療例

次の方は重度な眼瞼下垂です。診断は後葉の下垂です。だから中身(後葉)を修復するのです。

眼瞼下垂手術でまぶたの中を修復
眼瞼下垂手術でまぶたの中を修復

皮膚を摘んで、「これを切り取ってくれ!」と言われますが、本質を見誤ってはいけません。後葉の下垂が主体なのです。後葉の治療の結果、前葉の下垂が顕著になったら次のステップで前葉の下垂に対処します。

冒頭の「眼瞼下垂の手術をしたのに、たるみが残ってる😤」という訴えもここで現れます。まずは後葉の修復が優先なのです。ここを理解する必要があるんですね。

前葉の下垂、偽性眼瞼下垂

表の皮膚が垂れ下がってくる状態。多いかぶさってくる皮膚にまぶたの縁が隠されています。

前葉の下垂
前葉が持ち上がらない
前葉の下垂
いわゆる皮膚のたるみ
前葉下垂と後葉下垂アニメ
前葉下垂タイプと後葉下垂タイプの違いを比較。偽性眼瞼下垂は後葉は持ち上がる

後葉を持ち上げる機能は残されています。つまり病的とみなされないのですね。だから「偽性」とつくのでしょう。

この場合の治療は、前葉を持ち上げることです。

  • ふたえにする
  • 挙筋を前葉に連結する(挙筋前転)
  • 眉下切開でたるみとり
  • 重瞼の谷間からたるみとり

以上のオプションがあります。何を選択すべきかはケースバイケース。現実には前葉と後葉の下垂は合併しますから慎重に診断して治療法を選びます。

このモデルさんは、重瞼(ふたえの谷間)部分から皮膚を切除したケース。(具体的な経過は別記事。下参照)

偽性眼瞼下垂手術
たるみが多すぎる…

次のモデルさんは、眉下切開からたるみとりしたケース。詳細な経過は別記事に。

眉下切開後のホクロの移動
眉下切開後ホクロが移動しました

以上のように前葉の下垂を修復することに主眼を置いた治療です。

治療の優先順位

まずは後葉の下垂があるかどうかを確認します。前葉の下垂のあるなしかかわらず、後葉の下垂があれば後葉の下垂の治療が優先されます。

後葉の下垂が修復され、後に前葉の下垂が明るみ(眉位置の変動などにより)になることもあります。これは後葉の修復がうまくいったからこその現象。

その場合は次のステップで前葉の下垂の治療を行います。

 

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まとめ

以上、

  • まぶたには前葉と後葉がある
  • 後葉の下垂が真の眼瞼下垂
  • 実際のモデル症例

を提示しました。

  • まぶたには厚みがあり、前葉下垂と後葉下垂でまったく異なる現象であるって知っていましたか?
  • 前葉下垂と後葉下垂とで治療方法が異なることが理解できましたか?
  • あなたは前葉の下垂ですか?それとも真の下垂(後葉の下垂)ですか?
※眼瞼下垂症啓発目的に写真を使用することに同意いただきました。ご協力ありがとうございます😊
尚、当記事は特定の手術をプロモートするものではありません。まぶたの生理学を追究するものであり、いち形成外科医が考察する雑記であります。皆さんと情報を共有し、まぶたの真理を追究することが目的です。手術自体はリスク(出血、傷が残る、左右差、違和感など)があり、慎重に検討されるべきです。

あとがき

朝晩が涼しくなってきました。体調はいかがでしょうか?

今回はアニメーションGIFの作成に挑戦しました。iPadでイラストを作り、keynoteで書き出しました。

眼瞼挙筋が収縮してまぶたが引っ張り持ち上げられる様子、伝わりましたか?😅

 

 

眼瞼下垂完全ガイド

「眼瞼下垂って放置するとマズい?眼瞼下垂手術の危険性は?」

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