末梢性顔面神経麻痺後遺の瞼裂縦径狭小化に対する眼瞼形成手術

こんにちは。金沢です。

顔面神経麻痺後遺症の手術デザイン

顔面神経麻痺後遺症の手術デザイン

去る2013年4月5日に第56回日本形成外科学会総会にて学会発表。

タイトルは

目次

末梢性顔面神経麻痺後遺の瞼裂縦径狭小化に対する眼瞼形成手術ー12症例の検討ー

Hunt症候群(ハント症候群)、Bell麻痺(ベル麻痺)、外傷性顔面神経麻痺などの末梢性顔面神経麻痺を生じると顔面神経の再生過程で配線ミスが起こります。

その結果、顔面拘縮、異常共同運動があらわれます。

後遺症の一番つらいのはマブタが挙がりにくいことです。患者さんは自分の眉や上マブタを指で上に吊り上げて「こうして欲しい!」と訴えます。

このマブタに対して

  • 眼瞼下垂症手術
  • 拘縮した眼輪筋の処理
  • 眉の処置

をします。

これにより、見えにくいという自覚症状の改善が見られます。

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以前もこの治療について報告してきました。

ところで、

「異常な共同運動はこの治療の結果、ついでに改善することはあるか?」

という視点で改めて評価を行いました。

結果は「無効」・・・・・・・

やはり、異常な共同運動はボツリヌス毒素注射が適応と思われます。

一方、予定外の収穫が・・・(これは発表の後の質疑応答で申し上げましたが)

この眼瞼形成手術で、ほほのこわばりの改善が見られます。

深く持ち上がった法令線が少し浅くなって、角度が下がるのです。顔面の表情筋の緊張状態の改善が見られます。

ゆう
予定外の収穫はうれしいですね。

症例を紹介したページ

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(2015年7月5日修正)
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この記事を書いた人

金沢 雄一郎のアバター 金沢 雄一郎 形成外科専門医

医師免許(第400795号)、医学博士。形成外科専門医。大学病院で眼瞼専門外来を設立。2016年からは独立医師に。所属学会:日本形成外科学会、日本美容外科学会。
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